顧客起点のKPIを設定しても、それを達成するための「実行力」がなければ絵に描いた餅になってしまいます。トヨクモでは、組織体制や部門間の連携プロセスにも「仕組み」を取り入れ、実行力を高めています。
本連載の第一回『「THE MODEL」から脱却して解約率0.7%を実現する過程で私たちがやったこと』で触れた通り、マーケティング関連業務は、主に「プロモーショングループ」(認知〜PQL獲得)と「Strategic Growthグループ」(PQLナーチャリング〜LTV向上)が担います。
各グループ内には専門担当(コンテンツ、デジタル、顧客サポートなど)がいますが、重要なのはチーム全体に「顧客視点」を文化として醸成・維持するための具体的な仕組みを意図的に導入している点です。
これらの活動を通じて、「顧客のために」という意識を日常業務の当たり前にしています。
PLGの成功には、プロモーション、Strategic Growth、カスタマーサポート、製品開発といった部門間のスムーズな連携が不可欠です。トヨクモでは、この連携を個人の関係性や努力に依存せず、「仕組み」として機能させることに注力しています。
目的別・部門横断の定例会議体
「PQL→商談化率改善会議」「製品フィードバック会議」など、目的を明確にした会議を設定し、アジェンダ事前共有、ファシリテーション、議事録共有を徹底。
情報共有ルールとツール
情報共有においては、「ストック型情報/フロー型情報」と「過去/現在/未来の時間軸」の視点が重要です。ストック型(決定事項など)は蓄積と検索性、フロー型(社内メッセージや予定など)は迅速な共有を重視し、それぞれの性質に合うルールとツールを選びます(私たちは、kintone、Slack、トヨクモ スケジューラーなどを活用しています)。このような情報の特性と時間軸を考慮したルールとツール活用が、効果的な情報共有と組織の情報活用能力向上につながります。
さらに、これらの仕組みを円滑に機能させるためには、以下の「共通認識・文化」の醸成が鍵となります。
重要なのは、属人的な関係性に頼らずとも、必要な情報連携や意思決定がスムーズに進む「連携体制」を構築することです。
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