「WebデザインがSEOにどう影響するのか知りたい」「SEOに強いWebデザインにするにはどうしたらいいのか知りたい」といった悩みはないでしょうか。今回は、SEOに効果的なWebデザインを取り入れるためのポイントをわかりやすく解説します。
WebサイトのデザインはSEOにどのような影響をもたらすのか。SEOに効果的なWebデザインのポイントとはどのようなものか。そして、具体的にどのようなデザインがいいのか――。この記事を読めば「SEOに効果的なWebデザインを取り入れるポイント」がわかります。
まずSEOの基本を押さえた上で、Webデザインがどのように影響するのかを見ていきましょう。あらためて言うと、SEO(Search Engine Optimization)とは検索エンジン最適化、つまりWebサイトを検索エンジンに評価されやすくし、検索結果の上位に表示されるようにする施策のことです。SEOは大きく以下の2つに分類されます。
内部対策 | 自社サイト内で行う最適化 |
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外部対策 | 他サイトからの評価を高める施策 |
内部対策には、キーワードの最適化、コンテンツの質と量の向上、Webサイト構造の最適化、表示速度の改善などがあります。外部対策は主に被リンクやサイテーションの獲得などです。
SEO対策を行うことで、以下のようなメリットが期待できます。
特に内部対策はWebデザインと密接に関係しています。ユーザビリティーの向上やモバイルフレンドリーなデザイン、適切な階層構造などは、SEOとデザインの両方に影響を与える重要な要素です。
SEOは一朝一夕で成果が出るものではありません。継続的な取り組みが必要であり、常に最新のアルゴリズムや傾向を把握しながら、ユーザーにとって価値のある情報を提供し続けることが重要です。
SEOとWebデザインは異なる分野のように思えますが、実は無関係ではありません。SEOの目的は検索エンジンでの上位表示ですが、Googleはデザインのよしあしを人間のように判断しているわけではありません。そのため、「見た目がおしゃれ」といったことがランキングに影響することはありません。
しかし、間接的にはWebデザインはSEOに大きな影響を与えます。その理由は以下の通りです。
逆に言えば、悪いデザインはSEOにとって不利になり得ます。Webサイトを訪れた際に、読み込みが遅かったり、文字が読みにくかったり、情報が探せなかったりすると、それだけでユーザーは見ることをやめてしまいます。ユーザー体験の低さはWebサイトの評価にもつながるため、デザインとSEOは、相互に補完し合う関係と言えます。両者のバランスを取ることで、より効果的なWebサイト運営が可能になります。
SEOに強いWebデザインを実現するためには、以下の7つのポイントを押さえることが重要です。
ファーストビューとはWebサイトを開いた際に最初に目に入る部分のことであり、ユーザーの印象を左右する重要な要素です。ファーストビューに欲しい内容が書かれていなかったりデザインが見づらかったりすると、ユーザーはページをスクロールしてくれません。以下の要素を考慮することで、ユーザーの滞在時間を延ばし、直帰率を下げることができます。
ロゴやグローバルナビゲーション、メインビジュアルを適切に配置し、キャッチコピーやサービス説明文でユーザーの興味を引くようにしましょう。結果として、Googleのアルゴリズムにおいてもポジティブな評価を得られる可能性が高まります。
ファーストビューの最適化はデスクトップだけでなく、モバイル端末でも重要です。レスポンシブデザインを採用し、どのデバイスでも見やすく、使いやすいレイアウトを心がけましょう。
スマートフォンやタブレットの普及に伴い、モバイルフレンドリーなデザインは今や必須となっています。Googleは2015年からモバイルフレンドリーを検索順位の要因の一つとして採用しています。モバイル対応はSEO施策にはとても重要です。
モバイルフレンドリーなデザインを実現するためには、以下の点に注意しましょう。
ページの読み込み速度を改善することは、SEOとユーザー体験の両面で重要です。ページが表示されるまでに時間がかかってしまうと、ユーザーがすぐに離脱してしまう可能性が高まります。
ページの読み込み速度はGoogleのランキングにも影響すると言われています。画像の最適化やブラウザキャッシュの活用、コードの最適化を行って、ページの読み込み速度を改善しましょう。
グローバルナビゲーションとは、ヘッダーやフッダーに設置するリンクのこと。Webサイトの全てのページに共通して表示される部分です。Webサイトの全体構造を示す重要な要素であり、適切に設置することで、ユーザビリティーの向上とSEO効果の両方が期待できます。
グローバルナビゲーションはわかりやすい位置に設置し、シンプルで明確な言葉遣いを意識しましょう。適切な項目数で、左から右または上から下で重要度を考慮した配置順にするのがポイントです。
グローバルナビゲーションのデザインは、PCとスマートフォンで異なる場合があります。スマートフォン表示ではハンバーガーメニューを採用するなど、画面サイズに応じた最適化が必要です。
パンくずリストとは、ユーザーが今見ているページの現在地を示すテキストリンクのことで、以下のような文字列で表示されます。
「TOP>カテゴリー>サブカテゴリー>現在のページ」のような文字列です。
ユーザーの利便性を高めるだけでなく、検索エンジンのクローラーにサイト構造を理解させやすくする効果もあるため、SEO対策において重要な要素の一つです。
シンプルで見やすいデザインでパンくずリストを設置し、階層構造を明確に示してリンクを適切に設定しましょう。
階層構造とはWebサイト内のページの配置や関連性を示すもの。SEOに効果的なWebデザインを実現する上では、Webサイトの階層構造をシンプルに保つことが肝心です。シンプルな階層構造を採用することで、ユーザビリティーの向上やクローラビリティーの改善といったメリットがあります。
シンプルな階層構造にするためには、できるだけ以下の条件を守るようにしましょう。
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ただし、既存サイトの階層構造を変更する際は、既存ページのURLが変わる可能性があるため注意しましょう。適切なリダイレクト設定を行うなどの対応が必要です。
内部リンクを効果的に活用することは、SEO対策において非常に重要です。
内部リンクを適切に使うことができれば、クローラビリティやユーザー体験の向上につながります。また、ページ間の関連性を強め、各ページの評価を上げることにもつながるのです。記事内のリンクはもちろん、パンくずリストやグローバルメニュー、サイトマップなども内部リンクに該当するため、適切に設置するようにしましょう。内部リンクを設置する際は、URLの正規化やアンカーテキストに注意してください。
A. WordPressなどのCMSを利用すれば、コーディングの知識がなくても、さまざまなデザインテンプレートやプラグインを使って、SEOに最適化されたWebサイトを作成できます。また、専門のデザイナーやWebサイト制作会社に依頼することで、より高度なSEO対策を施したWebサイトの作成も可能です。
A. デザインとSEOはどちらも重要であり、両立させることが理想です。ユーザーにとって魅力的で使いやすいデザインであることが、SEO効果の向上につながります。どちらか一方ではなく、両者のバランスを取ることが重要と言えます。
この記事では、WebサイトにおけるデザインとSEOの関係性について解説しました。Webサイトのデザインは、SEOに直接影響を与えるわけではありません。しかし、間接的には大きな影響を与えます。Webサイトにアクセスしたときの見やすさや使いやすさは、そのままユーザー体験となりWebサイトの印象に大きく影響するからです。
使いにくく、ユーザーにとって価値ある情報が少ないWebサイトは、SEOにおいても評価が下がってしまいます。ユーザーにとって使いやすいWebサイトを第一に考え、デザインにもこだわることが重要です。SEOを意識したWebサイトのデザインにお悩みでしたら、ぜひこの記事を参考に、改善に取り組んでみてください。
谷川祐一
たにがわ・ゆういち GMOソリューションパートナー メディア運営チーム シニアマネージャー。SEOに特化したサイト制作に従事。さまざまな経験を経て編集責任者(リーダー)としてSEO初心者向けオウンドメディア「SEOタイムズ」とSNS運用代行サービスの立ち上げをおこなう。ランチェスター戦略をベースとしたSEO戦略の策定を得意としている。
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