ログリーは、インテントデータプラットフォーム「LOGLY Sphere」を活用した2つのアップデートを発表した。インテントデータとは何か、どのようなことが可能になるのか。
顧客や見込み客の製品やサービスに対する興味や購買意欲を示す「インテントデータ」の活用が注目されている。ログリーは2024年1月にインテントデータプラットフォーム「LOGLY Sphere」を開発し、データプラットフォーム事業を開始した。これはログリーが広告配信など既存事業で培ったデータと、提携する各種データプロバイダーの保有するデータにAIを掛け合わせて、さまざまなインテントを推定し、広告・マーケティングに活用するためのものだ。
広告領域においては2024年2月に、LOGLY Sphereを活用したの第1弾ソリューションとして、ネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」に「CV最適化ターゲティング」を実装。AIによる言語解析技術を利用した独自のデータ分析によってユーザーの購買心理の変化を可視化し、コンバージョンの可能性の高いターゲット抽出できるようにした。
4月にはLOGLY Sphereを用いたCookieレスによる独自のデータを活用したマルチチャネル広告配信プラットフォーム 「lift Plus」の提供を開始した。ログリーが代理店としてMetaやLINEに代表される広告プラットフォームの配信運用を行うことで、これらの広告で高いLTVが期待できるユーザーへのアプローチが可能になった。
lift Plusは特定カテゴリに特化したソリューションの開発を進めており、6月にはログリー関連会社で「転職アンテナ」を運営するのmotoと連携して転職支援業界向けに「lift Plus 転職」を発表した。
現時点で最新のアップデートが、9月にLift Plusに追加された「購買行動ターゲティング機能」だ。これは、ECの買物やオンライン予約などをまとめる家計簿アプリに基づく購買行動データを利用したもの。広告主の商品やサービスに対する目的を確認し、相関性の高い商品やサービスを分析することで、期待値の高い購買行動データを抽出。そのデータを基に相性の良い広告プラットフォームを選定し、広告配信をすることで、効果の最大化を実現する。
例えば注文住宅の資料請求数増加を目的とした場合、相関性の高い「キャンプ用品の購入」「住宅関連の書籍購入」の商品購入データを2つ以上保有する対象をターゲットセグメントとして抽出する。
今後は広告配信後のレポートに購買行動データを活用し、広告によって集客されたユーザーを可視化できるようにする。また、LOGLY Sphereが保有するデモグラフィック属性などの既存のデータと購買行動データの組み合わせパターンを増加させるなど、広告主の利便性向上と広告配信効果の最大化を目指す。
2024年9月にもう一つ発表したのが、インテントデータとAIを活用して隠れたニーズを捉えるアカウントインテリジェンスツール「ウルテク」だ。Webサイト来訪者の中から購買意欲の高い見込み客を自動で特定してマーケティング部門とセールス部門に通知。部門間の情報共有や施策連携を促す。
昨今のB2Bビジネスにおいては、顧客が自ら情報を収集し、営業チームとの対面時間を最小限に抑える傾向がある。顧客のニーズを迅速に把握し、最適な情報を提供するためにインテントデータによって購買意欲が最も高まっているタイミングでマーケティング活動を開始することで、効率的かつ効果的な商談獲得プロセスを実現する。
ウルテクの特長は以下の3つだ。
ウルテクの利用料金は月15万円から(従量課金制)。半年契約から利用できる(15日間の無料トライアル付き)。
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