【用語解説】コンテンツSEOITmedia マーケティング用語集

役に立つコンテンツを継続的に発信し続けることによって検索エンジンから集客するSEO手法である「コンテンツSEO」について解説。

» 2023年09月30日 23時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 Webサイトやコンテンツが検索エンジンの検索結果で上位に表示されるように最適化するプロセスであるSEO(検索エンジン最適化)の一手法。ユーザーの関心が高いキーワードに関連したコンテンツを作ることでGoogleなどの検索サービスからのWebサイトへの流入を増やすことを狙う。

コンテンツSEOとコンテンツマーケティングの違い

 コンテンツSEOが検索結果で上位表示されることによる集客力向上を目的としているのに対し、コンテンツマーケティングは企業が有意義なコンテンツを継続的に提供することを通じて顧客(潜在的な見込み客を含む)の興味・関心を醸成し、コンバージョン(問い合わせや資料請求、購入など)の獲得を目指すマーケティング手法を意味する。コンテンツマーケティングではSNSやメールどさまざまなチャネルを活用し、コンテンツの中身もテキストだけでなく動画やeBook、マンガなど多岐にわたる。

 コンテンツマーケティングはもともと、米国でContent Marketing Institute(CMI)を創設したジョー・ピュリッジ氏が2007年に提唱したといわれている。CMIはコンテンツマーケティングを「コンテンツマーケティングは、顧客にとって価値があり、関係性が高く一貫性のあるコンテンツを作成・配信することに焦点を当てた戦略的なマーケティングアプローチ」と定義している。

コンテンツSEOのメリット

 広告の集客効果は基本的にお金を出して出稿している期間に限られるが。蓄積したコンテンツは長期にわたり効果を発揮する資産となる。コンテンツSEOやコンテンツマーケティングは中長期の取り組みであり即効性を期待するのは難しいものの、比較的低コストで取り組みを始められることもあり、ブランド認知の向上にもつながる。

コンテンツSEOの手順

 コンテンツSEOにおいてはまずターゲットが検索しそうなキーワードを洗い出し、検索ボリュームの多いキーワードを選出し、そのキーワードで上位表示できるコンテンツを作成していくことになる。忘れてならないのはユーザーの視点だ。ユーザーにとって有用で情報価値の高いコンテンツを提供することは大前提。また、タイトルや見出しにキーワードを適切に配置した上で記事内容の構造は明確であることが望ましい。meta descriptionの記述も重要だ。meta descriptionを最適化することで検索エンジンのクローラーにページの概要を伝えることができる他、クリックされやすくなることも期待できるからだ。コンテンツは一度出して終わりではなく、古くなった情報を更新して鮮度を保つことも重要。アクセスやランキングのデータを分析して、必要な改善を行おう。

ユーザーにとっての情報取得効率とSEO施策での効果は必ずしも一致しない

 一つの記事に複数のキーワードを盛り込むと、ユーザーにとって情報取得効率は高くなると考えられるが、SEOの観点では必ずしも望ましいとは言えない。一つの記事で複数キーワードの対策を行おうとすると、一つ一つのキーワードの印象は弱くなり、検索エンジンにとってはキーワードに対する関連性が薄い記事になってしまう(ユーザーにとっても焦点のぼやけた記事になってしまう可能性がある)。同じカテゴリーやキーワードで検索順位を争う競合サイトの中にSEOに強いサイトがある場合、キーワードへの関連性が薄い記事では、上位表示の獲得は難しくなる。

Googleの検索品質評価評価基準「E-E-A-T」を意識する

 ユーザーが求める良質なコンテンツであり、かつGoogleにも高く評価されるコンテンツであるために意識したいのが以下のGoogleの検索品質評価評価基準「E-E-A-T」だ。

  • Experience:経験
  • Expertise:専門性
  • Authoritativeness:権威性
  • Trust:信頼性

 オリジナリティーがあり、専門家としての知見に裏打ちされた信頼できるコンテンツを提供していくことは、ユーザーのためでもあり、Googleに評価されるためでもある。

「ブラックハットSEO」はもう通用しないから

 かつてSEOの競争が激化する中で悪質な手段を使って検索エンジンのアルゴリズムの裏をかくいて上位表示を獲得しようとする「ブラックハットSEO」が横行した(例えばクローラをだましてWebページの内容とは別の情報を取得させる「クローキング」、膨大なテキストを自動生成して評価のスコアを高めようとする「ワードサラダ」など)。

 そうしたブラックハットSEOを撲滅するために、Googleはアルゴリズムを定期的に変更しており、スパム行為を行ったページのスコアを落としたりインデックスを削除したりしている。

 検索エンジンのアルゴリズム変更はWebサイト運営者にとっては不可抗力ではあるが、根本的なところでGoogleが重視するのは、あくまでユーザーに有益な情報を届けることだ。つまり、コンテンツSEOの考え方こそSEOの王道と言えるのだ。

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