サードパーティーCookie廃止でデジタル広告はどうなる?
デジタル広告とはインターネットとデジタルデバイスを通じ、テキストや画像、動画、音声などの要素を使用して製品やサービス、イベントなどを宣伝する広告サービスの総称だ。
デジタル広告はテキスト、画像、動画など多様な素材を利用し、Webサイトやモバイルアプリ、各種ソーシャルメディア、検索エンジン、メールなどさまざまなチャネルで展開できる。アナログな媒体と比較してキャンペーン開始までのリードタイムも短く、クリエイティブの変更なども柔軟にできる。また、インタラクティブ性が高くユーザーの反応を得やすい。効果測定も容易で、クリック数やコンバージョン率、ROIなど、さまざまな指標でキャンペーンの成果を評価できる。
もともとは媒体が用意した広告枠を一定期間買い取り、来訪する不特定多数のユーザーへ配信する予約型広告(純広告)のみだったが、現在では広告が表示されるごとにリアルタイムでオークションが行われる運用型広告(プログラマティック広告)が主流になっている。
運用型広告においては行動履歴やデモグラフィック、興味・関心、地理情報などの情報を活用して、特定のターゲットオーディエンス(広告を見せるべき対象となる人々)に絞った出稿が可能。特定Webサイトへのトラフィック増や商品の販売促進、リード獲得など目的に応じてPDCAを回しながら予算を効率的に使える。オークションランクは入札価格だけでなく広告の品質にも左右される。
予約型広告は掲載期間と掲載場所が固定され、配信後のクリエイティブ変更が原則としてできない。一方、運用型広告は配信後に入札額やクリエイティブを変更できる。配信場所が固定されていない分、純広告より料金も低い傾向がある。
デジタル広告には以下のようなものがある。
デジタル広告の課金方式には主に以下のようなものがある。
GoogleはWebブラウザ「Chrome」におけるサードパーティーCookieのサポートを2024年後半に終了する。このサードパーティーCookieはデジタル広告のコンバージョン計測や行動履歴情報の取得に使われていたため、デジタル広告も大きな影響を受ける。効果測定が容易で精度の高いターゲティングといった強みが以前ほど発揮できなくなってしまうからだ。
サードパーティーCookieの代替手段としては、Googleの用意する代替ソリューション「Topics」やThe Trade Deskが開発した「Unified ID 2.0」、LiveRampの「LiveRamp ID」、ID5の「ID5 ID」、インティメート・マージャーの「IM-UID」などの共通IDがある。また、コンテクストターゲティング(コンテンツの内容に基づくターゲティング)の活用も拡大している。
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