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» 2020年03月24日 09時00分 公開

4年間の軌跡を振り返り:ブイキューブのコンテンツマーケティング 受注獲得の仕組み作りのためにやったこと (1/2)

Web会議・テレビ会議システムを提供するブイキューブが順調に業績を伸ばしている。昨今の「リモートワーク」の潮流はもちろん追い風だが、それを生かし受注につなげられるのも、確固とした「売れる仕組み」があればこそだ。

[冨永裕子,ITmedia マーケティング]

 「やりっぱなしのマーケティング施策」「商談の創出やROIが不明確」「営業部門とマーケティングのいさかい」――「V-CUBE」ブランドでWeb会議やテレビ会議システムを提供するブイキューブはかつて、多くのB2B企業と同様に上記3つの課題を抱えていた。

 これらの課題を克服しようと、テクノロジーを積極的に活用したマーケティング活動の強化に取り組むようになったのは、2015年11月のことだ。現在マーケティング本部長を務める佐藤岳氏の入社を機に、ブイキューブは佐藤氏を旗振り役として、マーケティング活動を営業の受注獲得につながる仕組み作りを進めてきた。本稿では2019年11月に行われた「CONTENT MARKETING DAY 2019」で佐藤氏が語った4年間の軌跡を紹介する。

ブイキューブ マーケティング本部 本部長 佐藤岳氏

「As Is(現状)」と「To Be(あるべき姿)」のギャップを埋める

 自社の抱えるマーケティング課題を解決するために佐藤氏が選んだアプローチはシンプルだ。まず「As Is(現状)」と「To Be(あるべき姿)」を明確にし、そのギャップを埋めるために段階的な目標を設定した。そして、毎年各段階の目標を達成しながら少しずつ、あるべき姿に近づくように目標を定めた。

事業年度 目標
2015〜2016年 お客さまの理解
2017年 案件創出の効率化
2018年 価値提供(バリュープロポジション)
2019年 集客力の強化

 このアプローチでブイキューブは着実に成果を積み重ねた。マーケティングが創出した商談件数を、2016年の第12週の受注件数を100として見たとき、2016年の第47週は624、2019年の第47週は1195と、着実に成果を上げていることが分かる。ここまでの成果を得るために具体的に何をしてきたか、佐藤氏は年度ごとに解説した。

マーケティングが創出した商談件数(出典:ブイキューブ)

スタートラインはペルソナやカスタマージャーニーマップの作成

 2016年は、営業部門と共同でコンテンツマーケティングの勉強会を開催するところから始まり、ペルソナやカスタマージャーニーマップの作成に代表される顧客理解のための施策を進めた。

 今日の顧客は製品やサービスの購入前から検索で自発的に情報収集をしている。ペルソナやカスタマージャーニーマップは、検討が進むに従ってどんな情報を提供すれば購入などのコンバージョンに結び付くかを明確にすることに役立つ。

 求められるコンテンツとはすなわち、顧客や見込み客が抱えている課題に応える情報だ。コンテンツを内製化するにあたり同社は、社内向けの勉強会で理解しやすいように、コンテンツの形態やタイトル例を示すようにした。

 ペルソナとカスタマージャーニーマップの作成はメンバー10人の宿題とされ、それぞれが持ち寄ったものを最終的に「課題の気付き」「解決策の情報収集」「比較検討」「評価選定」「導入」の5段階でまとめた。

作成したカスタマージャーニーマップ(出典:ブイキューブ)

 この活動から「今使っているものが壊れた」「もうすぐ今使っているものの保守契約が切れそう」などが検討のきっかけになるという知見を得た。テレビ会議システムの場合、買い替えようとしたときに、現在使っているものの課題に気付くことが多い。そこで例えば「解決策の情報収集」フェーズでブイキューブの製品が課題解決に役立つと分かるコンテンツを提供すれば、顧客は次の「比較検討」フェーズで購入の選択肢にできる。

 検討がさらに進んだ「評価選定フェーズ」では、ハンズオンの体験セミナーも効果があった。セミナーでは各テーブルにブイキューブ製品の端末を置き、どんなことができるかを体験してもらう。セミナーによって来場者の人数は変動するものの、毎回約半数が案件化につながるほどの効果だった。

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