アノニマスリードへの対応からインサイドセールスまで、MAツールを使った体制を構築――ONE COMPATHMAツール活用最前線(1/2 ページ)

20〜40代女性を中心に利用されている国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」を運営するONE COMPATHのB2Bマーケティングの現状を聞いた。

» 2020年02月18日 14時00分 公開
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(このコンテンツは24-7ブログ「IM7」の掲載記事を一部再編集の上転載したものです)

 今回登場いただくのは、地図検索サービス「Mapion」や、日本全国のチラシなど買い物情報をいつでも無料で見ることができる国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!(シュフー)」を運営するONE COMPATHです。「Shufoo!」は、大手スーパーはもちろん、ドラッグストアや家電量販店など多くの企業の電子チラシを掲載し、その名の通り主婦層を中心に支持を集めています。「Shufoo!」におけるMAツールの活用について、メディアサービス本部メディア事業部サービス企画1Gマネージャーの森谷尚平氏と、システム技術本部サービス運用部運用デザインGの米島潤氏にお話を伺いました。

ONE COMPATH メディアサービス本部 メディア事業部 サービス企画1G マネージャー 森谷尚平氏(左)、システム事業本部 サービス運用部 運用デザインG 米島 潤氏(右)

国内最大級の電子チラシサービス「Shufoo!」について

──はじめに、ONE COMPATHの概要について教えてください。

森谷氏 ONE COMPATHは、2019年4月から始まった新しい会社です。母体は地図検索サービス「Mapion」を展開していたマピオンで、そこに凸版印刷が持っていたコンシューマー向けの電子チラシサービス「Shufoo!」や夫婦専用コミュニケーションアプリ「ふたりの」といったサービスを事業承継し、新しくONE COMPATHが誕生しました。その中で、私や米島はプロジェクトという形で「Shufoo!」におけるMA運営を含むB2Bマーケティングの推進を担っています。

「Shufoo!」

──「Shufoo!」のB2Bマーケティングプロジェクトとしての規模感を教えてください。

森谷氏 メンバーの人数は、約10人です。私がプロジェクトリーダーを担当し、他に運用、プロモーション、コンテンツマーケティング、販売促進といったチームのメンバーで構成されています。全員が別のミッションを持っているため、いわゆる「マーケティング」といわれる部分についてはプロジェクト全体で行っているのが現状です。

──チームの中にはフィールドセールスを担う方はいらっしゃるのでしょうか。

森谷氏 フィールドセールスは販売促進のチームに所属しています。2019年に入り、ようやくインサイドセールスの領域まで着手できるようになりました。さまざまな施策を打ちながら、獲得したリードをフィールドセールスに渡すことを始めています。

MAツールを活用したアノニマスリードへの対応

──現在、「Shufoo!」ではどのMAツールを使っていますか。

森谷氏 現在はSATORIを使っています。最初はたった2人でMAの運営を始め、課題は膨大にありましたが、まずは、それまであまり手を入れられていなかった法人サイトやそこからのリードに対して改善をしていくことにしました。

 「SATORI」を導入したのは、スコアリングを行ってくれてチューニングの要素が少なく、また導入のハードルも高くなく、その時のわれわれでも稼働させることができそう、と思ったからです。

 また、アノニマスリード(Anonymous leads:匿名リード)について、その動きを見てアクションを行えるところもSATORIの強みだと感じています。もともとマピオン社ではPardotを導入していましたが、Shufoo!でのツールの使い方を考えて、実名化の前段階であるアノニマスリードに重きを置いているSATORIで、まずは始めてみようと思ったのがきっかけですね。

──他のMAツールは検討されたのでしょうか。

森谷氏 いくつか検討はしましたが、SATORIは価格感も決め手の一つでした。他にもアノニマスリードの創出が得意そうなツールも検討しましたが、価格が合わず…。今回は事業として切り出されている「Shufoo!」というサービス単体での導入でしたので、あまりコストをかけずに、まずは始めてみようということでSATORIにしました。

──SATORIを導入されてどのくらいになりますか。

森谷氏 約1年になります。導入時の運営は2人で担当したのですが、そのうちの一人がSalesforce Pardotの運用経験がありましたので、比較的早く本格的な運用まで持っていくことができました。 SATORIの導入セミナーなどは参加しましたが、それ以外は外部のサポートはあまり入れませんでした。実際、緻密なシナリオマーケティングはまだできていないのが実情です。リードに対しては、メルマガなどで有益な情報を送るようにしていますが、スコアを見るというよりは、資料がダウンロードされたり、問い合わせがあったりといった分かりやすいフラグに素早く反応して刈り取っています。

──スコアを深掘りしていくよりも、インサイドセールスとしての活用がメインという状況でしょうか。

森谷氏 現在はそうですね。コンテンツマーケティングなどでコールドリードの裾野を広げ、そこから興味を持ってもらい、媒体資料をダウンロードしてもらった上で電話をしてみると反応が良いことが多いです。実名化したリードについてシナリオを組むよりも、今はインサイドセールスに手応えを感じているところです。また、ナーチャリングの視点では、われわれで使い切れていない機能として、サイト上にポップアップを出してコミュニケーションを取れる機能があります。こういったところもやっていきたいと考えています。

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