2020年はオリンピックイヤーということもあり、マーケティング的にも何かと変化の多い1年となりそうです。ここではSEOに関して今起きていることをまとめ、それを踏まえて2020年を予測します。
2019年はSEOかいわいにおいても、例年に劣らず動きの多い年となりました。Googleで検索に関する公式なリエゾン(連絡係)として活躍するダニー・サリバン氏(公式Twitterアカウント「Google SearchLiaison」を運用)が2019年7月、Googleが年間に検索エンジンに対して加えるアップデートは3200件を超えると発表し、話題になりました(How we keep Search relevant and useful<外部リンク/英語>)。
企業のマーケティング担当者にとっても、SEOの意味合いが以前と比べ、シンプルな「順位争い」から複雑かつ抽象的に変わってきているように感じられることが多くなってきているのではないでしょうか。
また、通常の順位枠以外に強調スニペットやリッチリザルトなどの要素が増え、従来通り表示順位とクリック数だけを指標にしていると成果をどう捉えてよいか判断がしにくいケースが増えていることと思います。
SEOコンサルティングを提供している当社プリンシプルでは、Googleにおける多くの変更を把握しています。今回は、2019年に影響の大きかったGoogle検索エンジンに関わるアップデートについて、まとめてみました。
2019年は、Google検索結果画面に非常に多くの変更が加えられた年でした。
強調スニペットが表示されるケースも増え、検索結果だけでユーザーのニーズを解決するリッチリザルトの種類も増加しました。Googleしごと検索やモバイル検索結果のデザイン変更もありました。それに加え、Google DiscoverやGoogleアシスタントといった、従来の検索エンジンの枠にとらわれない機能が充実し、Googleという検索サービスを通じたマーケティングの形がより複雑化しました。
中でも、新しいタイプのリッチリザルトについてどのように捉え、取り組むかに頭を悩ませた担当者の方も多いのではないでしょうか。現在、Googleの検索結果には、30種類近くのリッチリザルトが表示されるようになっています。リッチリザルトには例えば以下のようなものが挙げられます。
この中でも、2019年から一般的になったFAQ やHow-toなどは、検索結果で目を引きユーザーのニーズに応えることができる一方、リンクがクリックされずサイトへのトラフィックにつながらないこともあるという点で、導入すべきかどうか迷った人も多いのではないでしょうか。
また、「ユーザーが意識的に検索したものに対する結果」の枠を超えてそのユーザーが好むであろうコンテンツをプッシュ型で届けるGoogle Discoverの影響も見逃せません。いきなりサイトのPVが急増し、何かと思って調べてみるとGoogle Discoverだったという話もよく聞きます。
画像検索の幅もどんどん広がっています。当社のクライアントでも、画像検索を通じたWebサイトへの自然検索流入が無視できない存在になってきているケースが増えてきています。これは、通常のGoogle検索結果における画像検索結果の表示枠に加え、GoogleフォトやGoogleレンズアプリなど、Google画像検索の世界が広がっていることが原因と考えられます。
Googleレンズは写真画像の内容をAIで判断するアプリですが、Googleレンズアプリに限らずGoogleアシスタントやGoogleフォトアプリからも写真検索ができるようになっており、ユーザーに露出するケースが増えています。2019年にはGoogleレンズが識別できるアイテム数は10憶品目を越えたとのアナウンスもあり、写真から商品やブランド、場所などを特定したり、類似の商品をリスティングしたりなど、Google検索の新しい形として展開されつつあります。
また、スマートフォンやスマートスピーカーのGoogle Homeで使われるGoogleアシスタントの音声検索も、従来の検索結果の返し方ではありませんが、消費者の生活の中に着実に浸透してきています。
シンプルな答えのない問題ですが、この傾向は今後も続くと考えられます。SEO担当者の仕事はもはや「検索結果からWebサイトへのトラフィックを増やすこと」の枠にとどまりません。今後はGoogleという検索を中心としたプラットフォームを通じ、ブランディングやコミュニケーション戦略も含めてどうマーケティングに取り組むかを考えなければならなくなってくるでしょう。
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