今回のテーマは中小企業の営業改革です。HubSpotの顧客管理や営業支援機能の活用法を紹介します。
B2B視点で見たとき、マーケティングの主要な目的の1つが、営業とマーケティングの連携による営業の生産性向上です。中小企業の場合、マーケティングと営業を同じ担当者が実施しているケースも多いと思いますが、そうであればなおのこと、営業改革によるムダの少ないリソース配分が求められます。
営業改革といっても、必ずしも営業体制や方針を変える必要はありません。まずは営業業務に関わる案件管理を効率化し、コミュニケーションの効果を向上させることから始めましょう。そうすることで、営業が本来取り組むべき、お客さまの課題解決により注力できる環境を整えるのです。
以下は、マーケティング施策で獲得したリード(見込み客)に対して、営業部門が行う活動の一般的な例です。
皆さんの会社ではこれらの業務をどのように行っているでしょうか。以下の質問に答えてみてください。
マーケティング施策で獲得した見込み客の情報や、これまでに蓄積されている見込み客のリストに対して、優先順位を付けて対応しているでしょうか。
「Microsoft Excel」や「Googleスプレッドシート」で見込み客データを管理していると、数が増えるほどに管理が煩雑になる傾向があります。手入力で管理していると、データの入力ルールが守られていないため不規則なデータになり検索しにくくなる、データの重複があるといった状態に陥りがちです。また、営業部門全体でデータを共有化していればいいのですが、営業担当者がそれぞれ管理している場合、この問題はさらに深刻になり、営業部門として優先順位を判断できなくなります。
対応する見込み客が決まった後、どのタイミングでアプローチをしているでしょうか。「仕事の手が空きがちな夕方以降は連絡がつきやすい」「午前の方が社内にいる可能性が高い」など、営業担当者のこれまでの経験や勘で、見込み客に一斉に電話をしているようなことはありませんか。これでは、非効率的です。
見込み客と連絡が取れていよいよ商談というときに、手間がかかるのが日程調整ですね。筆者がヒアリングしたところ、日程調整のメールのやりとりにおよそ1.5往復くらいかかることが多いようです。
営業活動は、見込み客とは別のExcelやスプレッドシートで管理している会社も多いようです。あるいは、訪問したあとにメールで部署全体に内容を伝えている、という運用をしている会社もあります。営業活動の管理も見込み客管理と同様のデータ管理の問題が発生しやすい工程です。営業担当者同士のコミュニケーションで作業を分担した場合、管理者が営業担当者の業務を把握できないという問題も生じます。
前の工程でExcelやスプレッドシートでデータの管理をしている場合、ほとんど案件管理、売り上げ管理も同様に管理しているでしょう。定期的に営業会議を開催し、担当者が自分の案件を報告するというスタイルも健在です。こうした運用の場合は、課題もこれまでの工程と同様で、データ管理の問題、管理者の把握が不十分といった問題が発生します。工数もかかります。
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