電通デジタルは、デジタル広告における広告効果をより正確に評価する新指標「True Lift Model」を開発し、提供開始した。
電通デジタルは2018年9月12日、デジタル広告における広告効果をより正確に評価する新指標「True Lift Model (トゥルー・リフト・モデル)」の提供を開始した。
従来のクリック依存型の評価指標では、広告予算の配分が購買する確率の高い既存来訪者に対するリターゲティング広告に偏重するケースが多くあったが、このような施策のターゲットとなるユーザーは既に購買検討意向度が高いため、仮に広告接触がなかったとしても購買に至る可能性が高く、その全てを純粋な広告による効果として捉えことが疑問視されていた。
そこで電通デジタルは、医療分野などで広く使われているランダム化比較試験の考え方を応用し、従来の広告効果を、仮に広告がなくても自然に発生した効果と、純粋な広告の接触効果とに統計的に切り分ける評価モデルとしてTrue Lift Modelを開発。広告接触ユーザーの全CVR(コンバージョン値)の中から、広告接触がなくても自然とコンバージョンに至ったであろうユーザーのCVRを適切に差し引くことで、これを「True効果」として検出・評価。直接的な顧客獲得効果が見えやすいダイレクトレスポンス広告と、成果への貢献が見えにくいブランド広告の分断を解消し、需要創造のために両者を統合した広告配信設計が可能になるという。
電通デジタルがTrue Lift Modelにより複数の先行事例で検証をした結果では、従来効果が高いとされてきたリターゲティング広告のうち約7割が広告接触なしに自然とCVに至ったであろうと推定されるユーザー群だったという。一方で、非リターゲティングのターゲティング広告については、高いTrue効果を示しており、ターゲティング広告の需要創造効果が立証されるケースも多くあるということだ。今後は評価だけでなくその先の広告施策についてもTrue効果を軸に開発を進めていく。
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