マーケティング部門とIT部門の協働のためにまず必要なのは、対話のベースとなる言語の理解。今回はSFA(営業支援システム)と既存システムの連携に際して必要となる用語を紹介します。
マーケティングをITで革新するためにIT担当者とのコミュニケーションは重要です。相互理解の第一歩は共通の言語を持つこと。そのため、最低限のIT用語は理解しておきたいものです。
今回はSFA(営業支援システム)連携に際して必要となる用語を紹介します。やや専門性が高い本格的な内容ですが、SFA/CRMやマーケティングオートメーション(MA)などのデジタルマーケティングツールを導入している(または、導入を検討している)場合には、ぜひ知っておきたい内容です。
というのも、既存のデジタルツールにおいて特定の機能を強化したいとき、解決策として考えられる1つが、他のツールとの「システム連携」だからです。「名刺データを顧客情報に取り込む」「MAで育成したリードを営業に渡す」「分析強化のためにダッシュボードを利用する」など、システムを連携させて効率的に業務を行う必要性は、あらゆるケースで考えられます。知っておくとさまざまな場面で使える便利な用語ですので、ぜひ知っておきたいところです。
なお今回は、数あるSFA/CRMの中でも代表的なツールの1つであるSalesforce.comの「Salesforce」関連用語を取り上げます。もちろん、多くのシステムに共通する用語も含まれますので、他のサービスを利用する場合にも参考になるでしょう。
レコードとは、簡単にいうと1件分のデータを指します。例えば、以下のような顧客データがあった場合、1行分が1レコードに相当します。よって、以下の場合は、合計2レコードです。「レコード」自体は難しい言葉ではありませんが、後述する「項目」や「オブジェクト」と合わせて理解しておきましょう。
項目またはフィールドとは、レコードに入力する内容区分です。先ほどの例では「氏名」や「住所」などが項目名に当たります。「項目」や「フィールド」などシステムにより呼び方が異なったり、担当者によってそれぞれなじみのある言葉を使ったりしますが、同じものを指していると当事者同士が理解していれば、会話における混乱を避けられます。また、Salesforceにおいては、デフォルトで用意されている標準項目と任意で追加するカスタム項目があります。他システムとの連携においては、標準項目とカスタム項目で連携に必要な設定が異なるため、連携させたい項目がどちらのタイプなのかシステム管理者に確認しておくとよいでしょう。
オブジェクトとは、項目やレコードを含む箱のようなものです。データベースではテーブル、スプレッドシートではシート全体に相当するといえるでしょう。先の例では、「顧客データ」が1オブジェクトです。その他、「取引先」「商談」など、オブジェクトには複数の種類があります。
また、オブジェクトにも項目と同様、デフォルトで用意されている標準オブジェクトと任意で追加するカスタムオブジェクトがあります。例えば、手前みそですが当社サンブリッジが提供している名刺管理サービス「SmartVisca」をインストールすると、Salesforceに「名刺」というカスタムオブジェクトが作成されます。オブジェクトにおいても、標準オブジェクトとカスタムオブジェクトで同期に必要な設定や制約が異なりますので、連携の際は確認が必要です。
レコード、項目、オブジェクト、をまとめると以下のようになります。
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