デジタルマーケティングの課題に対して解決策とヒントを教える書籍『デジタルマーケティング 成功に導く10の定石』から一部を抜粋し、デジタルマーケティングの基礎をおさらいする本連載。今回は10の定石のうち6〜10について学びます。
デジタル社会が日々進展する中で、デジタルを活用したマーケティングはあらゆる企業の将来を左右する重要課題です。しかし、「何からはじめればいいのか」「上司にどうやって説明すればいいのか」「取り組み始めたけれど、本当に効果を上げているのだろうか」などなど、多くの担当者を悩ませているのも事実です。そこで本書では、当該領域のプロフェッショナルたちが、事例や図版を使いながらマーケティング課題にあった解決策とヒントをお教えします。
※本稿は電通デジタル『デジタルマーケティング 成功に導く10の定石: 電通デジタルのトップマーケッターが教える 簡単に分かる売れ続ける仕組みをつくるツボ』(徳間書店)から一部の内容を抜粋・編集して転載しています。
本連載では、デジタルマーケティングの課題に対して解決策とヒントを教える書籍『デジタルマーケティング 成功に導く10の定石』から一部を抜粋し、デジタルマーケティングの基礎をおさらいします。前回は、「デジタルマーケティングを構築するための定石(前編)」と題し、書籍に登場する定石の1から5までを紹介しました。後編となる今回は、残りの6〜10について学びます。
企業都合に基づく消費者への働きかけから、消費者が必要なときに自社を見つけてもらえるよう転換するための定石です。
マーケティング活動は、アウトバウンドマーケティングとインバウンドマーケティングに分けることができます。アウトバウンドマーケティングとは見込み客に対する電話や各種広告など、企業から消費者に向かって働きかける活動を中心としたマーケティングです(※1)。これに対して、店舗やオウンドメディアに見込み客を誘引する活動を中心としたマーケティング戦略をインバウンドマーケティングと呼びます。デジタル社会では、検索エンジンやソーシャルメディアの登場によって、消費者から自社を見つけてもらうことが容易になりました。消費者は、知りたいことや困ったことがあれば、すぐに検索エンジンを使って調べます。
自動車関連品の販売会社であれば、タイヤやエアロパーツを必要としている人が情報を集めているときに自社Webサイトやソーシャルメディア上の公式アカウントを訪れてほしいと考えるでしょう。仮にそのときに購買に至らなくても継続して訪問してもらえば、将来、自社顧客になる可能性が高いからです。そのためには、適切なコンテンツが継続的に、系統的に準備されていなくてはいけません。
データを活用して自社顧客の特徴を理解したり、施策の有効性を分析したりして、その知見を次の施策に生かすための定石です。
プライベートDMPに自社顧客のデータを蓄積して分析すると、どのような性別や年代の人が顧客に多いのか、生涯顧客価値(LTV)が高い顧客はどのような製品やサービスを利用しているのか、何をきっかけに製品やサービスの継続使用が始まるのか、などが明らかになります。仮に、通常容量の製品に加えて大容量製品を購入した顧客がその後、長期間にわたり自社製品を継続購入することが分かった場合には、自社既存顧客に対して、大容量製品の販売促進を強化することが有力な施策案になるでしょう。
さらに、プライベートDMPを通じて明らかになった事実を活用して、優良顧客になりやすい消費者に働きかけることができます。外部のDMP(パブリックDMP)を活用して、自社優良顧客と似た性質を持つ消費者を見つけてメッセージを送ることによって、それが実現します(※2)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.