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» 2017年03月29日 08時00分 公開

Web担当者あるある――あなたがその数字を追いかけるのが不毛である理由【連載】良いKPI悪いKPI 第1回(1/2 ページ)

事業内容や体制によりKPIの考え方は異なるもの。他社と情報交換したり代理店の担当者に相談したりするわけにもいかず、しっくりこないKPIを基に施策を回しているWeb担当者に、道しるべとなる考え方を紹介します。

[中村研太プリンシプル]

 チームや部門をマネジメントする立場のにある人にとって、KPI(Key Performance Indicator:重要評価指標)はチームの方向性やメンバー評価の基となるものです。一方でWebマーケティングの現場において、「KPIは改善しているが売り上げが伸びてこないのはどういうことだろう」とか「新しいKPIを設定したらメンバーのベクトルがずれてしまい、目の前の数字ばかりに目が行くようになってしまった」というような悩みもよく聞きます。

 また、広告代理店やサイト運用など外部パートナーと共にプロジェクトを行う場合、KPIはより重要になります。「何を目的に」「何を判断基準に」Webサイトを運用し、改善を行っていくかを考える上で、指針になるのはKPIです。KPIがうまく握れていないと、配信や納品など、おのおのが最低限の義務をこなすだけになってしまいがちで、成果につながらない予算の無駄づかいに陥ってしまいます。また最近は、インターネット広告に関して、広告代理店による広告費の不適切請求や広告のインプレッション数の水増しなど、配信実績に伴う問題がメディアを賑わせていますが、これらの原因の1つとして「業界全体としてのKPI」の在り方に課題があることは否めません。

さまざまなKPI

 ここで、Webサイトやインターネット広告運用でよく使われるKPIを見てみましょう。以下の分類は私の方で便宜的に区分したものです。

  • 実数系KPI
    • 表示回数(リーチ)
    • UU(ユニークユーザー数)
    • 新規セッション数
    • クリック数
    • セッション数
    • PV(ページビュー数)
    • CV(コンバージョン数)
    • 売り上げ
  • ファネル系KPI
    • CTR(クリック率)
    • 直帰率
    • 詳細ページ到達率
    • カートイン率
    • フォーム(カート)完遂率
    • CVR(コンバージョン率)
  • 回遊系KPI
    • 離脱率
    • セッション開始数
    • 平均滞在時間
    • PV/セッション(訪問別PV)
    • AOV(平均購買単価)
  • コスト効率系KPI
    • CPA(顧客獲得単価)
    • CPC(クリック単価)
    • CPM(インプレッション単価)
    • ROAS(広告費用対効果)
    • ROI(投資対効果)

 挙げ始めるとキリがないですが、多くの企業ではこういった指標をKPIとしてWebサイトや広告を運用していることでしょう。

 ところで、実はこれらの中には「良いKPI」と「悪いKPI」が混在しています。どれがどうだか分かりますか。

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