顧客満足度の高い企業、ポイントカードやクレジットカードの保有枚数にスタンプラリー企画を成功させるコツなど、昨今のコンシューマー事情をデータから探ります。
マーケティングの重要な役割は「新規顧客獲得」と「既存顧客の維持」。競争の激しい時代にとりわけ重要なのが後者です。顧客のマインドシェアを拡大し、ロイヤリティーを高めていくためには「釣った魚にえさを与える」取り組みこそ重要なのかもしれません。顧客満足度を高めるためにはまず顧客の行動を理解することから。決済情報やポイントプログラムは重要な手掛かりとなるでしょう。さらに、愛着を高めてもらうため、「参加型」の取り組みもあった方がいいかもしれません。今回は、調査まとめサイト「調査のチカラ」の9万件超のストックから、企業と顧客のつながりを知るヒントとなるデータをピックアップしてお届けすます。
日本生産性本部 サービス産業生産性協議会は、日本最大級の顧客満足度調査である「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」の2016年度第6回調査結果を発表しました。同調査は家電量販店、ドラッグストア、サービスステーション、近郊鉄道、フィットネスクラブの5業種、のべ60の企業やブランドを対象に実施。顧客期待、知覚品質、知覚価値、顧客満足、推奨意向、ロイヤリティーの5つの指標を評価することで、商圏や業種の壁を越えて定量的な比較が可能なように設計されています。今回、特別調査として実施した電力小売業種を含め、各業種で顧客満足度1位を獲得した企業・ブランドは以下の通りです。
企業・ブランド | 業種 | 備考 |
---|---|---|
ヨドバシカメラ | 家電量販店 | 7年連続 |
コスモス薬品 | ドラッグストア | 6年連続 |
Shell(昭和シェル石油) | サービスステーション | 初の顧客満足1位獲得 |
阪急電鉄 | 近郊鉄道 | 8年連続 |
カーブス | フィットネスクラブ | 3年連続 |
ENE0S でんき | 電力小売 | 特別調査 |
なお今回、ヨドバシカメラと阪急電鉄は同業内で全指標において1位を獲得しています。店舗のない地域でもヨドバシの有名なCMソングを耳にしたことがある人は少なくないはず。また非関西人でも、沿線を舞台にした小説などで阪急電車の「えんじ色の車両」というイメージは何となく持っているのではないでしょうか。サービスの品質はもとより、満足度の高い企業にはそれぞれのチャーミングポイントがあるのかもしれません。
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