従来のBIが「終わっている」と断言できる2つの理由【連載】MARTECH 360 第3回(1/2 ページ)

テクノロジーの進化により従来ビジネスインテリジェンス(BI)と呼ばれてきたものは程なく消える運命にある。その主な2つの原因について考察する。

» 2017年01月23日 07時00分 公開

【連載】「MARTECH 360」について

 この連載はDatoramaでCSOを務めるカトリン・リバン氏のブログ「MARTECH 360」を日本語訳したものです。本稿の原文(英語)には以下のリンクからアクセスできます。


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 ビジネスインテリジェンス(昨今では「BI」という略語で呼ばれることが多い)は、仕事でデータ関連の話題になると真っ先に思い浮かぶものの1つだ。会社のIT部門の人間であれ、事業責任者であれ、情報関連の問題にはBIソリューションを投入することがお決まりの策となっている。

 しかし、はっきり言ってそれはやめる必要がある。

 ここ2、3年のビッグデータ活用をめぐる騒動の浮沈から分かるように、何らかのツールを導入する際には、事前に予想されるてん末を十分に理解しておく必要がある。BIでなくても、必要な事前調査を怠れば、現在の多くの企業と同じ運命をたどり、不要なハードウェアが後に残される、あるいは、さらに厄介なことに、自社の問題に適していないサービスやソリューションを契約してしまったために途方に暮れる可能性がある。

 残念ながら、筆者は長年のキャリアの中で、この手の話を散々聞かされている。最近聞いた“しくじり”の1つを紹介しよう。ある大企業のマーケティング分析部門がBIツールプロバイダーと契約をしたが、2、3年格闘した末に、そのツールがもともと会計業務の支援を目的としたものであり、キャンペーンの効果や広告費を追跡するためのものではなかったことが分かった。しかし、ここで注意しなければならないことがある。ツールを導入する際には事前調査が必要であるというのはもちろんだが、それだけではない。もっと、非常に重要なことに気付かなければならない。

 それは何か。従来のBIは、現在台頭しつつある、進化したソリューションとは同じではないということだ。新しい時代が幕を開けつつあり、従来のBIは間もなく消滅する。その理由は幾つかあるが、ここでは、このビジネスソリューションの進化を引き起こした最大の原因のうち、次の2つに絞って考察したい。

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