IT部門とマーケティング部門は長年こじれた関係にある。だが、マーケターは顧客理解を深める必要上、ITに投資し活用せざるを得ない。新たなビジネスを育てるため、今こそ両部門は長年の確執に終止符を打つべきだ。
この連載はDatoramaでCSOを務めるカトリン・リバン氏のブログ「MARTECH 360」を日本語訳したものです。本稿の原文(英語)には以下のリンクからアクセスできます。
現在、業種を問わずあらゆるビジネスの在り方を変容させているものが1つある。データだ。多くの企業が既に複雑なデータの状況に対応しているように見えても、やはりそれは事実とは異なる。マーケティング部門は、企業とその顧客との関わりを深めることがミッションになっているが、依然としてこのデータの問題から抜け出せず、現行の手法に甘んじているのが現実だ。
マーケティング部門が抱えている課題と、IT(情報システム)部門のサポートが必要な理由を理解できるように、状況を説明したい。部門間の連携は、費用対効果の高いモダンマーケティング戦略の肝である。
筆者は2016年5月17〜19日に参加したGartnerの「Digital Marketing Conference」において、大勢のマーケター、最高情報責任者(CIO)、業界アナリストと交流する機会を得た。このカンファレンスで見た、あるアナリストによる発表の中で、現在のマーケティング予算の3分の1はテクノロジー(IT)に費やされているという統計が示されていた。この全体の33%に当たる予算に関しては、さらに意味深なデータがあり、マーケティングテクノロジーの予算のうち、通常は28%が“運用”に割り当てられているという。
これはかなりの割合だ。
ここで読者は、現在、それほどまで多くの予算がマーケティングテクノロジーに割り当てられていることを不思議に思われるかもしれない。理由は単純で、マーケティング部門には他に選択の余地はないからだ。
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