交通広告や折込広告と連係した広告配信、「リアル行動ターゲティング」の提供を開始駅や路線、店舗の位置情報を利用

デジタルインテリジェンスとエスワンオーインタラクティブ、AdNearは2015年7月27日、「リアル行動ターゲティング」の提供を2015年秋から開始すると発表した。

» 2015年07月27日 19時30分 公開
[ITmedia マーケティング]

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 デジタルインテリジェンス、エスワンオーインタラクティブ、AdNearの3社は2015年7月27日、AdNearの持つオーディエンスデータとDSPを活用したオンライン広告配信サービスの提供を2015年秋に開始することを発表した。具体的には、駅や主要幹線道路、店舗などの位置情報から、生活者セグメントや行動履歴に応じたターゲティングを行う。

 JR東日本では2015年秋に導入が予定される山手線の新型車両で従来の「中吊り広告」や「額面広告」を廃止し、デジタルサイネージに移行する方向性を打ち出している。今後他の鉄道会社もこれに倣うとみられる中、これまで電車内広告を多く利用してきた新商品発売やキャンペーン告知においては、「交通広告」のアロケーション(配分)見直しが急務となっている。今回の広告配信サービス提供は、そうした課題に応える目的がある。また、近年の新聞発行部数減少を背景に求められるようになった、折込チラシなどの予算の置き換え先としても期待されているという。

 デジタルインテリジェンスでは、生活者のオフラインでの行動情報を「リアル行動ターゲティング」として、今後注目すべき領域であると提唱している。

 新サービスでは例えば、アルコール飲料などのプロモーションで「夕方からの広告配信が効果的である」と、これまで一律に捉えていたとする場合、「早朝から出勤し早目に帰宅する人たち」、逆に「朝はゆっくり、会社に遅くまでいる人たち」など、生活パターン(時間帯)によるセグメントを用意し、個別の行動パターンに合った効果的なタイミングで、かつ最適なクリエイティブで広告配信を行うことができる。あるいは自動車ディーラーや総合スーパーなどの企業が持つ店舗位置情報と興味関心を掛け合わせ、購買行動に近いタイミングや商圏エリアに合わせて広告配信を行い、店舗送客などにつなげていくという。

 また、企業側がこれまでエリアマーケティングなどで保有してきた7桁の郵便番号情報や11桁の住所コードといったCRMデータの経験・実績資産もそのまま引継ぎながら、配信設計や運用を行うことを予定している。

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 デジタルインテリジェンスでは、テレビCMと同様、交通広告や折込広告においてもスマートフォンへの移行が進むと考えているが、まずは交通広告や折込広告と連係しながら相乗効果を獲得し、従来の手段でアプローチが難しくなった層へのリーチ補完などを行っていく。また、効果測定も実施し、将来的にはデジタルサイネージの「プログラマティック」(データに基づく自動的な広告の買い付け)も加え、交通広告、折込広告の代替をリアル行動ターゲティングが担っていくことを狙っている。

 しかしながら、スマートフォンの位置情報を利用した広告配信においては、個人情報との関係を十分に考慮していくことも必要であるため、広告配信の設計・運用に加え、位置情報を使用する施策全般に関するコンサルティングも企業側の要望に応じて行っていく。また鉄道系エージェンシーへの商品開発コンサルティングも同時に開始する。

 なお、リアル行動ターゲティングの配信設計および運用は、トレーディングデスク事業を展開するエスワンオーインタラクティブとデジタルインテリジェンスのグループ会社であるプログラマティカが合同で行う。正式なサービス提供開始までにトライアル企業を数社募り、関東圏での広告配信を実施していく。

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