CMO/CIO/CEO、それぞれのマーケティングIBM CMO+CIO Leadership Forum Report(1/2 ページ)

2013年3月6日にIBMが開催した「CMO+CIO Leadership Forum」では、日産自動車、千趣会、ジョンソンのCMO、CIO、CEOがパネリストとしてセッションに登壇し、自社のマーケティング活動の取り組みと課題、今後の展望について議論した。異なる立場でありながら「今後もデジタルとマーケティングの融合は進む」との見解が一致、こうした中で見えてきた課題は何か。

» 2013年03月15日 08時40分 公開
[岩崎史絵,ITmedia マーケティング]

 2013年3月6日、六本木 グランドハイアット東京で開催された日本IBMのイベント「CMO+CIO Leadership Forum」では、CMO、CIO、CEOというそれぞれ異なった立場のエグゼクティブから見た「マーケティングのあり方」が議論された。午後に行われた「Understanding Individual Customers and Creating Value at Every Touch Point(“個客”を理解し、すべての顧客接点で価値を創造する)」と題したパネルディスカッションでは、まず米IBMコーポレーション シニアバイスプレジデント ソフトウェア・ソリューション・グループのマイク・ローディン氏が簡単なスピーチを行った後、大手企業のCMO、CIO、CEOが登場。各立場から、それぞれの企業が進めているマーケティング施策について語り、また次世代のマーケティングがどうなるかについて議論された。

ビッグデータとは「瞬間の流れ」

 最初に登壇したローディン氏によると、マーケティングの成功要因として、データが果たす役割は非常に大きくなっているという。もちろんこれまでも、マーケティング活動におけるデータの重要性は認識されていたが、昨今のマーケティング環境の変化により、データの質も大きく変わっていることがポイントだ。

 データの質の変化とは何か。それはVolume(量)、Variety(多様性)、Verasity(正確性)、Velocity(迅速性)だ。こうしたデータの質の変化は、「ビッグデータ」と呼ばれている。だが単にデータ量が巨大化、多様化しただけではない。マーケティング的にビッグデータが重要なのは、ビッグデータがストリームデータであることだ。ビッグデータは、さまざまな人々の日々の行動や感想、コミュニケーションなど、“瞬間”から成っている。この流れていくデータをいかにキャッチし、市場トレンドや顧客の嗜好を予測するかが、これからのマーケティングのカギとなる。

 IBMではマーケティングにおけるデータ活用の1つの姿として、「お客さま1人ひとりの嗜好や考えを分析する“個客理解”を進め、その要望に真に対応できるパーソナライズされたエンゲージメントシステムの構築が重要になる」(ローディン氏)という。なお、ローディン氏が言うシステムとは、単純なITシステムだけでなく、マーケティングを進める社内体制や、顧客の声を反映する仕組み作りすべてを包含したものだ。ローディン氏は「こうしてマーケティング活動をサービスにつなげていくことが、今後のマーケティング戦略の潮流になる」という見解を示し、スピーチを終えた。

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