第2回 先輩も知らない、オンラインリードジェネレーションって何?オンラインリードジェネレーション実践講座(2/3 ページ)

» 2010年09月08日 15時00分 公開
[アイティメディア キャンペーンマネジメント部,Business Media 誠]

"リード"を"ジェネレートする"とは?

 次にマーケッターはOLGをどのように実施しているのか、そのプロセスを説明しよう。

 ひとことでOLGといっても、対象となる商材の種類によって、大きく2つの方法がある。まず比較的購入検討期間の短い商材(BtoCや単価の低いBtoB分野)では、検索連動型広告などを使って潜在顧客を誘導し、ランディングページ上での意識変容を経てリードを生成する"プル型リードジェネレーション"が適している。一方購入検討期間の長い商材では、情報収集段階からユーザーに接触することが重要なため、ターゲティングされた会員へのメール配信などを使った"プッシュ型リードジェネレーション"が有効になる。

 またOLG業務プロセスのユニークさは、リードを"ジェネレート"する(生み出す/生成する)という概念に表れている。通常の手法では広告掲載が終われば業務プロセスもそこで終わるが、OLGの終了は新たなプロセスの始まりを意味しているのだ。このワークフローを分かりやすく図解したのが「マーケティングファネル」だ(図)。

マーケティングファネル(購買意思決定とリードジェネレーションのプロセス)

セールス部門に渡す前に仕分けが必須

 OLGで生み出されたリードはあくまで「見込み客情報」なので、そのすべてが短期的に顧客化するわけではない。マーケッターは属性(業種/企業規模など)やリード生成時のアンケート内容(購買予定時期など)によってリードをグループ化し、必要に応じてテレマーケティングなどによる検証を踏まえたうえで、セールス部門に渡す"ホットリード"とそれ以外を選別しなければならない。

 この仕訳プロセスを「リードクオリフィケーション」と呼ぶ。クオリファイ(qualify)とは、限定する/絞り込むなどの意味だ。リードのWeb行動履歴や検索キーワードなどが分かっていれば、ある程度システム的にクオリファイすることもできる。

 くれぐれも注意したいのは、リードクオリフィケーションを行わずに、クオリファイ前のリードをそのままセールス部門に渡さないように、という点だ。リードを仕分けせずにそのまま渡すと、「マーケから来るリストはノイズばかりで使えないな」「せっかく渡したリードをまったくフォローしていないくせに」などと、マーケティングとセールスの間に不信感を生む原因となるので要注意だ。

生み出したリードは、育てなければ意味がない

 またここでよくあるのが、「ホットリードだけに注目して、残りのリードを放置してしまう」というミスだ。特に単価の高い製品は購入検討〜意思決定までの時間が長引くことが多い。そのときホットリードでないリストを放置してしまうのは、将来有望な見込み客を見逃すことにつながる。

 現時点で購入が見込めなくても、製品が提供する価値へのニーズがあれば、メールやセミナーなどのコミュニケーションを継続することで、顧客化できる可能性は高い。こういった「見込み客の需要喚起」を目的としたマーケティング活動を「リードナーチャリング(育成)」と呼ぶ。

 このようにOLGは顧客との長期的な関係作りというプロセスの起点となる活動であり、「目前の売り上げ確保のためのリスト購入」といった近視眼的な施策とは、はっきり区別されるべきものだろう。生み出したリードは育てなければ意味がないのだ。

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