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» 2018年08月02日 06時00分 公開

マーケティング・インサイドセールス・営業が同一ツールで連携:ビズリーチが実践して証明、「MAはマーケティングだけのツールではない」といえる理由 (1/2)

マーケティングオートメーションはマーケターだけのものか。ビズリーチの実践事例を紹介する。

[冨永裕子,ITmedia マーケティング]

 本稿では2018年7月25日に開催された「Salesforce Summer 2018」におけるセッション「マーケティングオートメーションツール“Pardot”で営業にマーケティング力を ビズリーチが実践するセールス&マーケティング」より、ビズリーチがマーケティングとインサイドセールス、営業(注)の3つの部門において、B2B向けマーケティングオートメーション(MA)製品「Salesforce Pardot」を活用し、提案力の向上につなげている事例を紹介する。

注:後述するように現時点ではキャリトレ事業のみ。

インサイドセールス全員がMAを活用

 2007年8月に創業したビズリーチは、転職サイトの「ビズリーチ」、20代向け転職サイトの「キャリトレ」、採用管理サービスの「HRMOS(ハーモス)」、求人検索エンジンの「スタンバイ」など、さまざまなサービスを展開している。

 ビズリーチのビジネスマーケティング本部は、大きくマーケティングとインサイドセールスにグループ分けされる。マーケティングは見込み客(リード)を創出し、有望なものをインサイドセールスに渡す。インサイドセールスはマーケティングから渡された見込み客に対し、電話、メール、セミナーなどで商談機会を獲得し、各事業部の営業に渡す。

画像 ビジネスマーケティング本部の組織構造(出典:ビズリーチ)《クリックで拡大》

 同社でインサイドセールスを成長させた立役者が茂野明彦氏(インサイドセールス部部長)だ。茂野氏が入社した2016年時点では数名にすぎなかった同部門は現在、40人超の組織に拡大した。

 茂野氏は、Pardotや「Sales Cloud」などSaleceforce.com製品の社内での活用にも深く関与しており、インサイドセールスグループにおいても全員がPardotを活用している。「MAはインサイドセールス担当者がお客さまと電話で話をするきっかけを見つけ、潜在的なニーズを早くつかみ、いい状態でリードを渡すことに役立つ」(茂野氏)というのがその理由だ。

画像 茂野明彦氏

 ビズリーチでマーケティングがインサイドセールスにリードを渡す際の基準は独特だ。一般的にはスコアが高くなるのを待ってMQL(Marketing Qualified Lead)とするが、同社では週次でスコアの差分が大きいものをインサイドセールスに渡すようにしている。これは、インサイドセールスが電話でアプローチする際の成果を高めるには、スコアよりもスピードを重視すべきだと考えているためだ。また、リードを受け取ったインサイドセールスも「ホワイトペーパーの反応が良かった」「見込みが薄いと思ったら温度感が高かった」などのコメントをマーケティングに必ずフィードバックしている。

 Pardotの利用目的はプロスペクト(成約確度の高そうな見込み客)を増やすことにある。見込み客のビズリーチのサービスに対する温度感を電話で確認してPardotでスコア化し、マーケティングROIの最大化を目指してナーチャリングに活用している。

 茂野氏は今後の課題として「インサイドセールスがMAを使いこなしてマーケティングを実践すること」を挙げる。「インサイドセールスには、今までは営業寄りの担当者が多かったが、それぞれのサービスのカスタマージャーニーを理解し、ビジネスマーケティング本部全体を、マーケティングを実践する組織に変えていきたい」と抱負を語った。

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