第3回 マーケティング投資配分最適化(MMO)の基礎【連載】マーケティング投資最適化の科学的アプローチ

「マーケティング投資最適化の科学的アプローチ」の連載3回目では、『マーケティング投資配分最適化/Marketing Mix Optimization(以下、MMO)』を紹介します。MMOとは、企業やブランドへのマーケティング活動を投資として捉え、その投資額の分配や投下タイミング、投下量の大小を調整することで、ブランドの売り上げやROIを最大化させるプランを立案する科学的アプローチです。

» 2013年12月20日 08時30分 公開
[石井俊宏,アイ・エム・ジェイ Marketing & Technology Labs]

 最近、緩やかではありますが、確実にMMOが注目され始めています。それは、利用できるデータの増加や数学的アルゴリズムの発展により、今まで以上に正確かつ詳細なマーケティング投資の分析や予測が実現できるようになったことが背景にあります。これらMMOを用いることにより、企業のマーケティング意思決定者が自社のマーケティング投資配分を、科学的に高いレベルで判断することが可能になりました。

 マーケティングを科学的に分析して、プランの立案に役立てることは、一部において以前から取り組まれています。例えば、最近あまり聞かなくなりましたが、「マーケティング意思決定支援システム/Marketing Decision Support System(以下、MDSS)」という考えがあります。これは、マーケティングの意思決定を科学的に支援するシステム(ソフトウェアおよびハードウェア)で、導入は多くないものの、存在しており、「売り上げ数量の最大化」等、企業にとって最適となるプランを(一意的に)導き出すことで、マーケティングプラン作成の支援をシステマティックに行うアプローチです。

 以下に、従来からのMDSSを要約します。そして最新のMMOがMDSSと比べて、どういった新しい機能が追加されたのかを記すことで、その特徴を紹介します。現在、MMOの導入を検討されている企業にとって、参考になれば幸いです。

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