ニュース
» 2012年12月10日 08時19分 UPDATE

【連載】走りながら考えるメディアマーケティング:第7回 独自路線か連携か――Yahoo!ニュースの膨大なアクセスを無視できない新聞社

Yahoo!ニュースに近づく朝日新聞、独自路線の日本経済新聞――。「横並び」と言われることが多い新聞各社のデジタルへの取り組みに差が出始めている。

[藤代裕之,ジャーナリスト/ブロガー]

朝日新聞デジタルがYahoo!ニュースに記事を配信

 2012年10月、新聞業界に小さな波紋が広がるニュースがあった。朝日新聞デジタルがYahoo!ニュースに記事配信を始めたのだ。前身のasahi com時代からgooニュースには配信していたが、ジャイアンYahoo!ニュースの膨大なアクセスが無視できなくなったのだろうか?

 2009年にニールセン(ネットレイティングス)が発表した、新聞系ニュースサイトの調査では、毎日jpの全トラフィックの5割前後がYahoo!ニュースからの流入だった。ニュースサイトのビジネスモデルは「第5回 じゃあ、新興勢力のオンラインニュースはどうなのか?」で触れたが、広告収入モデルではアクセス数を増やすのが重要になるため、Yahoo!ニュースのトピックスで取り上げられることは広告収入増に結びつく。一方で、依存関係が強まりすぎると独自性が失われる。

 この微妙な関係を脱しようと「対Yahoo!」を合言葉に共同通信と地方紙が中心となり、新たなニュースポータルを目指して2006年に「47ニュース」を開設したものの、アクセスは低迷、新聞業界はニュースサイト界の第三極にすらなれずにいる。

日経の電子版は会員数20万人を突破

 ただし、最近は状況が変化している。「電子版」の波が押し寄せているのだ。

 電子版? そもそもインターネットのニュースサイトも「電子」版じゃないのか?! というご指摘はさておき、新聞系サイトが言う電子版とは有料で提供する「紙レイアウトで読める」タイプだ。2008年に産経新聞がiPhone版の電子版を出したが無料での提供だった。状況が変わったのは、2010年に始まった日本経済新聞の電子版からだ。月4000円という高額会費だが、創刊から2年で有料会員が20万人を突破した。月4000円は、新聞界のデジタル先進企業ニューヨーク・タイムズのPC、スマホ、タブレットで読めるプラン(1週間8.75ドル、4週で35ドル)より高い。

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


sponsored by
Loading

企業潜入レポート

sponsored by

「ITmedia マーケティング」購読一覧