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» 2012年10月30日 07時12分 UPDATE

【連載】コミュニケーションデザインのための戦略フレームワーク:第4回 顧客の視点 〜顧客資産価値の「見える化」と顧客セグメンテーションのためのフレームワーク〜

ビジネスを維持および成長させるための源泉は「お客さま」が握っています。今回は「お客さま」に的を絞り、過去/現在/未来において、お客さまが企業にもたらす価値を「見える化」する方法と、お客さまの特性や特徴を知るための「切り口」を紹介します。

[工藤浩志,シナジーマーケティング]

 売り上げはお客さまからもたらされます。お客さまはビジネスを維持および成長させるための重要な資産です。このように重要なお客さまですが、過去/現在、どのようなお客さまがどのような価値を自社にもたらしてくれたのか、また、将来、価値をもたらしてくれるお客さまは今どのような状況なのか、1人ひとりのお客さまがもたらす価値を「見える化」することで、ビジネスを維持および成長させることが可能となります。

 また、マーケティングコミュニケーションの主役はあくまでも“お客さま”です。お客さま1人ひとりを理解し、意味づけ、お客さまの期待に即したコミュニケーションを図っていかなければなりません。しかも、理解した内容を関係者間で共有し、統率のとれたコミュニケーションを図っていかなければ、お客さまに満足感を与えることができません。

 今回の「顧客の視点」では、お客さまを資産として捉え、「見える化」によりお客さまの状態を把握し、また1人ひとりを理解して適切なコミュニケーションをとっていくためのフレームワークを紹介します。

3つのビジネス法則/経験則から学ぶコミュニケーション施策

 企業の競争力を高めるためには、商品やサービスの売り上げだけではなく、1人ひとりのお客さまがもたらしてくれる利益や売り上げ、価値を理解しておく必要があります。このことを次の3つのビジネスの法則/経験則から学ぶことができます。

20:80の法則 「上位20%のお客さまが全売り上げの80%をもたらす」

 この法則では、売り上げを高めるためにお客さまとの良好な関係を維持/発展させることの大切さを説いています。そして、「売り上げの80%は全お客さまの20%が生み出している」とするなら、効率よく売り上げを伸ばすためにはお客さま全員を対象としたコミュニケーションを行うよりも、上位20%のお客さまをセグメントし、その特徴を見つけ出し、マーケティングコミュニケーションに力を入れたほうが良いわけです。

1:5の法則 「既存のお客さまに商品やサービスを提供する費用を1とすると、新しいお客さまにかかる費用はその5倍」

 この法則では、販管費を最小化するために、新しいお客さまを開拓するための費用と既存のお客さまを維持/発展させるための費用の振り分け方を説いています。すでに取引関係のあるお客さまに販売促進費を投入することで、販促費用を低く抑えることができます。しかもその結果として、営業利益率を高めることにつながります。これは誰でも経験的に知っていることですが、なぜか「新規客をどうやって集めようか?」と考える人がまだまだ多いのです。

5:25の法則 ⇒ 「お客さま離れを5%改善すれば、営業利益が25%改善される」

 この法則では、営業利益を高めるために、お客さまの流出を抑えることの重要性を説いています。何もしないでお客さまを放置していると、お客さまは少しずつ減ってしまいます。一説には、1年で20%のお客さまが離れてしまうといわれています。そのお客さまをわずか5%つなぎとめることで、営業利益が25%改善することにつながるわけです。そのため、営業利益を改善するために、現在取引が進行中のお客さまへのコミュニケーションと、取引が途絶えてしまったお客さまへ早い段階でコミュニケーションを図っていくことが大切になるわけです。

 一方で、1年で20%のお客さまが離れてしまうのであれば、新しいお客さまを増やしていかなければ、お客さまの総数が前年割れになってしまうため、新しいお客さまを多く開拓する必要性を説いていると捉えることもできます。

kudoh04_01a.jpg 3つのビジネス法則/経験則の位置づけ

 これら3つのビジネスの法則/経験則は、コミュニケーション施策の目的、「営業利益」や「売上高」、そして「販管費」に関する教訓です。そして、それぞれから得られる教訓は、お客さまセグメント(タイプ)である「新しいお客さま」と「すでに取引があるお客さま」、そして「取引が途絶えたお客さま」と関連づけを行なうことができます。そして、この関係より、ターゲット顧客ごとにコミュニケーション戦略目標と達成指標(指標、指標値)が定められることになります。

kudoh04_02a.jpg ビジネス目的の展開と評価指標

 ここで重要なことは、大事な経営資源をバランス良く投入していくことです。そのために、それぞれのお客さまの状態を「見える化」することと、達成度を数字で把握できるようにすることです。ビジネス目的の達成度を数字で評価/検証可能となる顧客セグメンテーションに関する認識を統一させながら、コミュニケーション施策を図っていくことが重要なのです。そしてこのことが、顧客資産価値を高めていくことにつながっていきます。

顧客資産価値を「見える化」するためのフレームワーク

 では、どのようにお客さまの資産価値を「見える化」していけばよいのでしょうか。

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