「楽天Pay」「PayPay」など日本の金融サービスが上位独占はなぜ? 2024年のファイナンスアプリトレンド今日のリサーチ

AdjustとSensor Towerが共同で発表した「モバイルアプリトレンドレポート 2024 :日本版」から、マーケターが注目すべきトレンドを紹介します。今回はファイナンスアプリトレンドです。

» 2024年09月11日 07時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 モバイルアプリ効果測定プラットフォームベンダーのAdjustはモバイル市場分析環境とデータを提供するSensor Tower(2024年3月にdata.aiを買収)が共同で発表した「モバイルアプリトレンドレポート 2024 :日本版」から、マーケターが注目すべきトレンドを紹介します。ファイナンスのカテゴリーのダウンロード数ランキングはゲームとは異なり、国産勢が強い結果となりました。

日本におけるファイナンスアプリダウンロード数トップ10と消費支出額トップ10(出典:Adjust、Sensor Tower「モバイルアプリトレンドレポート 2024 :日本版」、以下同)

消費支出額1位は「みんなの銀行」

 「楽天ペイ」「PayPay」「ゆうちょ通帳アプリ」「Suica」「三井住友カード Vpassアプリ」など、ダウンロード数トップ10は全て日本のアプリになってます。日本では金融に関する法規制が厳しいことから、外資系が参入しにくいことが背景にあると考えられます。

 一方、消費支出額を見ると、1位は「みんなの銀行」。月額600円(税込み)で、ATM出金が月10回まで、他行振込が月10回まで無料になる「プレミアムサービス」で収益化に成功しているようです。外資系はいずれもビットコインなどのデジタルマイニングに関連したアプリを提供している会社になってます。

 日本のファイナンスアプリへの関心とエンゲージメントは非常に安定しています。2023年のファイナンスアプリのインストール数は前年比27%増、セッション数は同22%増と、一貫して上昇傾向でした。

日本におけるファイナンスアプリのインストール数とセッション数の増加(2022年1月〜2024年3月)

 2024年第1四半期の日本でのファイナンスアプリのLTVは、グローバルと米国のベンチマークの両方を大きく上回りました。日本ではインストール当日(0日目)におけるLTVが3.23ドルで、世界の中央値のほぼ2倍となっています。この傾向は続き、インストール後、最初の月の終わりまでに日本ユーザーのLTVは14.16ドルまで上昇します。これは世界の中央値7.88ドルを倍近く、米国の3.98ドルを3.6倍上回る結果です。

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