Gmailの新しい「メール送信者のガイドライン」について、メール配信をする事業者の対応状況はどうなっているのでしょうか。
GoogleはGmailの新しい「メール送信者のガイドライン」を2024年2月に適用開始しました。同社は段階的に規制強化を実施しており、その最終締め切りとなる2024年6月以降はガイドラインに準拠していないGmail宛のメールは拒否されるようになるといわれています。メールを大量配信し、マーケティングに活用する企業は新ガイドラインに確実に対応せねばなりません。
メールの高速配信および到達率改善支援サービス「ベアメール」を展開するリンクは、「Gmailガイドライン変更に伴う、メール送信者を対象とした意識調査」を実施しました。調査対象者は、メールマガジンや一斉配信、システムからの通知メールを配信する全国の事業者に勤める従業員1000人です。
調査ではまず、所属企業で配信するメールマガジンや通知メールの宛先ドメインについてたずねています。最も多いのは「Gmail(gmail.com)」が55.7%。次いで「Yahoo(yahoo.co.jp)」が多く48.5%。それに「携帯キャリア系(docomo.ne.jp,ezweb.ne.jp, softbank.ne.jpなど)」(33.4%)が続きました。
新ガイドラインが適用開始された2024年2月以降、「メールが届かない」「遅延している」などメールの到達率に変化があったかを聞いたところ、回答者の21.5%が「メールが届かない・遅延していることが問題になっている」と回答し、40.9%が「問題にはなっていないが、不達や遅延が増加している可能性がある」と回答しました。
ではメール配信事業者はどの程度新ガイドラインへ対応できているのでしょうか。「Gmail宛にメールを配信することがある」と回答した人を対象に、新ガイドラインへの対応状況について質問したところ、「全て対応できている」という回答はわずか34.6%にとどまりました。40.9%は「対応を進めているものの未完了」で、約24%は「対応していない」「対応しているか把握していない」「そもそもガイドラインについて知らなかった」と答えていました。
「全て対応できている」「対応を進めているものの未完了」と回答した人を対象に、ガイドラインへの対応を進める上で困難な点があったかどうかを質問したところ、77.4%が「困難な点があった」と回答。課題となった点は「自社のメール送信状況や送信環境の把握」が67.2%で最も多く、次いで「自社の対応要否の確認(何に対応すべきか把握、理解するのが難しい)」(50.3%)、「送信ドメイン認証やDNSなど、技術的な対応」(48.5%)という回答が多い結果になりました。技術的な対応以前に自社のメール利用の状況把握に難しさを感じている状況が見て取れます。
Googleの新ガイドラインは、「1日5000通以上をGmail宛に配信する送信者には、送信ドメイン認証技術『DMARC』の導入・対応が必須」と規定しています。調査はDMARCの導入状況やレポートの活用状況についても聞いています。それによると58.9%がDMARCを導入していると回答。一方でDMARCの「分析ツールを活用し、日頃から確認している」人は32.3%と、まだ進んでいるとはいえない状況のようです。
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