朝日広告社が国内55企業のビジネスパーソンを対象にパーパスの浸透率や浸透深度と従業員エンゲージメントの関係性についての調査を実施しました。
朝日広告社は、国内55業界のビジネスパーソンを対象に実施した「ASAKOインナーパーパススコア調査」の結果を発表しました。2023年に続く2回目の調査で、「パーパス」の浸透率や浸透の状況、パーパスブランディングの成功要因などを明らかにし、各業界や企業のパーパス推進活動を強化、改善するヒントをまとめています。
調査対象である国内55業界に従事する20〜59歳のビジネスパーソン5659人に対し、自社のパーパスが規定されているか聞いたところ、「パーパスが規定されている」と回答した人が12.2%、「パーパスとは呼んでいないがパーパスに類するものが規定されている」と回答した人が20.1%でした。両方を合わせた「パーパス浸透率」は2023年調査から3.6%減の32.3%でした。47.5%の回答者は、社内にパーパスやそれに類するもが規定されているかどうかが「わからない」と答えています。
業界別でパーパスが最も浸透しているのは「証券・先物業界」の54.4%。これに「日用品業界」(53.4%)、「SIer」(48.5%)、「銀行・信託業界」(47.6%)、「薬剤・医薬品業界」(46.6%)が続きました。生活者が日常生活で触れる機会の多い金融関連業界や消費財業界が上位にランキングされていることが分かります。
調査では、パーパスが従業員にどの程度浸透しているかを測る「パーパス浸透深度」と、従業員が自分の仕事に対して誇りを持っているかどうか(従業員エンゲージメント)との関係も調べています。最も浸透深度が深い「(自社の)パーパスに共鳴している」と答えたビジネスパーソンのうち78.2%が「自分の仕事に誇りを持っている」と回答。一方で、最も浸透深度が浅い「(自社の)パーパスは規定されていない」と答えたビジネスパーソンで、「自分の仕事に誇りを持っている」と答えたのは37.7%とその差は2倍以上になりました。所属企業がパーパスを規定していることに加えて、心から同意できるパーパスであることが従業員の仕事に対する誇りにつながるようです。
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