BBソフトサービスが、詐欺サイト専用セキュリティソフトで検知・収集したデータを基に、インターネット詐欺サイトの傾向を分析しました。
ソフトバンクグループでセキュリティ製品・サービスをISPや携帯電話会社などの通信事業者を通じて提供しているBBソフトサービスは、2023年3月度のインターネット詐欺リポートを公開しました。同社が提供するネット詐欺専用セキュリティソフト「詐欺ウォール」による検知・収集データを基にインターネット詐欺の傾向を分析しています。
2024年3月の詐欺ウォールによる詐欺サイト検知数は410万490件で、2024年2月と比較すると、90万8833件減少しました。
3月度の傾向としては「三菱UFJ銀行」と「メルカリ」のフィッシング(実在する組織を騙ってユーザIDやアカウント、銀行口座の暗証番号、クレジットカード番号などを詐取する行為)が急増しました。三菱UFJ銀行は実数で30倍、メルカリは実数で6倍に増加。いずれも「お取引を制限します」といった内容で偽サイトにログインさせて個人情報を詐取する手口が多く、どちらも規則性なく大きく上昇しています。
また、最新の情報では「TEPCO」のフィッシングサイトが急増しています。こちらは料金未納をうたってログイン情報を詐取するのが主な手口です。また、警視庁をかたり「逮捕状が出ている」「口座が悪用されている」といった文言で偽サイトに誘導する手口も確認されています。4月には検察庁の詐欺サイトも確認されています。
3月度にフィッシング詐欺が最も多かったブランドは「イオンカード」で、全体の16.70%を占めました。次いで、三菱UFJ銀行が14.84%、SoftBankが10.38%と続きました。直近で増加傾向にあるTEPCOやメルカリもランクインし、ここ数カ月間上位にランクインしていた「ETC利用照会サービス」や「えきねっと」といった交通系のフィッシングは減少しています。
フィッシングサイトのカテゴリ別構成比を見ると、3月度は銀行とECサイトカテゴリの構成比が上昇しています。銀行は三菱UFJ銀行の報告数が増加したことにより実数ベースで増加。ECサイトは、メルカリが実数で増加した影響で構成比も増加しています。携帯キャリアはSoftBankが減少したことにより減少しています。
BBソフトサービスは公的機関などとの連携によって収集した詐欺サイトURLを利用し、定期的に詐欺サイトの検知率調査を実施しています。2024年3月の詐欺ウォールによる詐欺サイト検知率は93.7%と高水準でした。
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