「インクルーシブマーケティング」実践のポイントは? ネオマーケティングが支援サービスを提供少数派の意見が大きな市場に

ネオマーケティングは、インクルーシブマーケティングの実践に向けたサービスを開始した。見過ごされがちな少数派の意見から、顧客企業にとっての新しい市場機会を創出する。

» 2024年04月18日 14時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 調査とマーケティング支援を手掛けるネオマーケティングは2024年4月10日、「インクルーシブマーケティング」の実践に向けた新サービスの提供を開始した。見過ごされがちな少数派の意見を見つけ、顧客企業にとっての新しい市場機会の創出と、ブランドイメージ向上への貢献を目指す。

インクルーシブマーケティングとは?

 インクルーシブマーケティングとは、年齢、性別、国籍など異なるアイデンティティーを持つ消費者を対象とし、各自が自分を表現し、違いを認め合うための商品やサービスの提供を目指すマーケティング戦略のこと。

 新サービスでは、Webアンケートとインタビューを実施する「インクルーシブマーケティング特化型調査」、企業、団体向けに多様性への理解や社会課題解決を目的としたワークショップを開催する「インクルーシブマーケティング導入ワークショップ」、調査設計やPR戦略策定に必要な専門的なコンサルティングや、学識経験者といった専門家を交えて、中長期的な取り組みを実施する「リテナー型インクルーシブマーケティング・コンサルティング」といった機能を提供する。

インクルーシブマーケティング4つのポイント

 ネオマーケティングは2023年12月、インクルーシブマーケティングの研究と実践のため「インクルーシブマーケティングラボ」(以下、IMラボ)を立ち上げた。IMラボではインクルーシブマーケティングを実践するための仮説を立て、自主調査を実施。実践に当たって重要な以下4つのポイントを見いだした。

  • 少数の意見から、世の中で見過ごされている課題の種を見つける
  • 課題の種から、共感されやすいもの、共感されにくいものを把握する
  • 当事者もしくは当事者が身近にいる人の意見に耳を傾ける
  • 少数の課題解決に対して、多数の共感が得られるかを検証する

 ネオマーケティングによれば、仮説を検証するプロセスで、「一見少数にしか当てはまらないと思われる問題が実際には多くの人に共通する場合に、それが大きな市場へと成長する可能性」を見いだせたという。さらに、提案する解決策が多くの消費者の共感を集められるかを検証することで、インクルーシブマーケティングの実効性を判断できるという。例えば、ジェンダーレストイレの整備に関する調査では、半数以上の賛成意見があったものの、実際に利用してみたいという人は3割弱にとどまった。

 計画段階では倫理的に賛成であっても、いざ自分が参加するとなると反対意見に転じることがあるため、この検証のプロセスは重要だとネオマーケティングは考えている。同社は、こうした取り組みを通じて、多様性を尊重し、幅広い顧客層に響く戦略を構築していく考えだ。

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