Googleは依然として人気の検索サイトだが、ことZ世代のローカル検索に関しては、InstagramやTikTokの方が好まれているようだ。
マーケティングプラットフォームのSOCiがMarketingDiveと共有したレポートによると、Z世代がリアル店舗での買い物先を探す際の検索プラットフォームとして、GoogleがInstagram(67%)とTikTok(62%)に取って代わられ、王座を降りることになった。
Googleは第3位(61%)に後退したものの依然として年配の世代の間では強い支持を得ている。だが、ソーシャルメディアはローカルビジネスを探す人々のためのリソースとして、全体的にシェアを伸ばしているという。
ソーシャルメディアがGoogleのコアサービスに脅威を与えている中、レポートはChatGPTの台頭も別の潜在的な脅威であると指摘している。今回の調査結果は、Googleが人工知能(AI)モデルのGeminiをGoogle広告に統合するなど、検索サービスのアップデートを展開する中で発表された。
今回のSOCiの調査結果によって、Googleの優位性が脅威にさらされている可能性があるという、多くの人が薄々感じていたことが裏付けられた。第4四半期においても検索は依然としてGoogleにとって最大のセグメントであり、売り上げは前年比12.7%増の480億ドルに達した。だが、今回の調査結果は、Z世代のユーザーがますます検索のためにソーシャルに注目していることを示している。
SOCiの市場インサイトディレクターを務めるダミアン・ロリソン氏は、「消費者がローカルビジネスを見つける方法に、大きな地殻変動が起きている。若い買い物客は検索や発見のためにInstagramやTikTokを利用するようになり、検索エンジンは挑戦を受けている。に対する古い警戒心が問われている。企業にとって、これらのプラットフォームで強力なプレゼンスを確立することは単に有益であるだけではなく、若い消費者の間で市場シェアを獲得するためにも不可欠なものだ」と述べる。
ソーシャルメディアの検索ツールとしての台頭はZ世代(SOCiは18〜24歳と分類)だけにとどまらない。ローカルビジネスを探す際の検索ツールとしては全世代にわたってGoogle検索と Googleマップが上位2つを占めるものの、3位には Facebook が入り、Instagram、TikTok、Snapchat が続く。より具体的には、Facebookは35〜44歳の消費者の3分の2近く、25〜34歳の消費者の60%の間でローカル検索プラットフォームとして影響力を持っているのに対し、Instagramはこれらのグループのそれぞれ50%と54%に支持を得ている。
レポートは、Googleにとってのもう一つの脅威として、話題沸騰中の生成AI技術であるChatGPTのようなディスラプター(既存勢力を破壊する勢力)について言及している。ChatGPTは広告業界だけでなく他の分野でも波紋を広げ続けている。しかし、Googleもまた自社のAIソリューションであるGeminiに賭けている。2024年1月にGoogleはGeminiを活用した対話型体験をGoogle広告に導入し始めた。初期テストの結果では、広告主はより少ない労力で高品質の検索キャンペーンを構築でき、関連性や品質などの要素を測定する広告の有効性(Ad strength)スコアも向上したことが示唆されている。ただし、Geminiは他の生成AIツールと同様に、誤情報を生み出すという問題にも直面している。
直近では、Googleは検索結果の品質向上を図るために、アルゴリズムの強化による品質ランキングの改善と、低品質コンテンツを排除するためのスパムポリシーの強化を発表した(外部リンク/英語)。Googleによると、今回の変更により、検索結果における低品質でオリジナリティのないコンテンツが40%削減される見込みだ。
Googleは依然として高齢層の間でトップのローカル検索先であり、55〜64歳の年齢層の79%、35〜44歳の層の76%、45〜54歳の層の74%のロイヤリティを保持している。さらにGoogleマップは、55〜64歳の消費者の60%、45〜54歳の消費者の57%にとって欠かせないツールとなっている。SOCiは今回のレポートのために米国の1000人以上の消費者にアンケート調査を実施した。この調査結果は、消費者がオンラインとオフラインでローカルビジネスとどのように関わっているのかを探るSOCiの「2024 Consumer Behavior Index」からの抜粋だ。
© Industry Dive. All rights reserved.