検索ビッグデータから「隠れたニーズ」を生成AIが分析 LINEヤフー「DS.INSIGHT」に新機能3つの試験機能の第1弾

LINEヤフーは、Yahoo! JAPANのビッグデータを活用したリサーチツール「DS.INSIGHT」に、生成AIに関する3つの機能を試験的に導入すると発表した。第1弾は、生成AIが検索キーワードから「隠れたニーズ」を見つける機能だ。

» 2024年03月15日 07時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 LINEヤフーは、Yahoo! JAPANのビッグデータを活用したリサーチツール「DS.INSIGHT」(※)に、生成AIに関する3つの機能を試験的に導入すると発表した。第1弾は、生成AIが検索キーワードから「隠れたニーズ」を見つける機能だ。

※「DS.INSIGHT」にて可視化されたデータは全て統計化されており、個人を識別可能なデータは含まれない。

 DS.INSIGHTは、検索データなどを基に生活者の興味関心を可視化する「DS.INSIGHT People」、特定エリアや店舗・施設の来訪者情報を可視化する「DS.INSIGHT Place」、ターゲットのライフスタイルや興味関心を把握して詳細なペルソナを作成する「DS.INSIGHT Persona」、上昇トピックやトレンドを分析する「DS.INSIGHT Trend」の4つの役割を担う。今回の新機能はそのうちDS.INSIGHT Peopleに導入される。

一見してわかりづらい隠れた傾向を発見

 具体的には、特定のキーワードと一緒に検索されているキーワードをマッピング形式で表示する「共起キーワード」機能での分析を生成AIがサポートする。検索キーワード同士のつながりの中から、一見してわかりづらい隠れた傾向を生成AIが考察し、テキスト形式で出力する。

 既に2023年10月に、生成AIがデータを検索キーワード群に分類して傾向の読み解きや、それらが検索された背景などを分析結果として出力する機能を試験導入してきた。既存の機能は「共起キーワード」のマップをカテゴリーごとに整理することで、ユーザーの分析結果についての文脈理解をサポートするものだったが、新機能はこれまでカテゴライズされないような検索キーワード同士のつながりを生成AIによって発見する。これにより、新規事業などのビジネスアイデアへ活用してもらう狙いがある。同時に、データ分析の前工程となるデータクレンジングや考察などの作業を短縮し、分析業務の負荷を低減する。

 例えば「マスク」について分析する場合、既存の生成AIによる考察機能は人々の検索行動の意図として「マスクのブランド・メーカー」「マスクの特性・機能」などといったカテゴリーに分類する。一方、新機能は、ビッグデータからマスクと「ファンデーション」との関連性を見いだし、「生活者はマスクに付着しづらいファンデーションを探している」といった、隠れたニーズを提示する。

既存の生成AIによる考察機能との出力結果の違い(出典:LINEヤフーのプレスリリース、以下同)

 使い方はINSIGHT Peopleの基本画面で分析したい検索キーワードを入力し、共起キーワードの分析画面で「隠れたニーズを調べる」をクリック。すると、生成AIが「背景」「ユーザーのニーズ」「商品企画やコンテンツ企画のアイデア」についての分析結果を出力する。

,「隠れたニーズ」を生成AIで考察する方法

 なお「検索意図を調べる」からは、2023年10月にリリースした既存の生成AIによるデータ考察機能を使用することができる。

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