Z世代が旅に求める「令和的非日常」とは?今日のリサーチ

JTBコミュニケーションデザインと伊藤忠ファッションシステムが、Z世代の旅に関する意識を共同調査しました。

» 2024年03月02日 10時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 JTBグループでさまざまなコミュニケーションサービスを提供しているJTBコミュニケーションデザインと伊藤忠グループの総合コンサルティング企業である伊藤忠ファッションシステムは「Z世代の旅」に関する共同調査を実施し、「令和的非日常 Z世代における生活価値観・消費傾向から読み解くこれからの旅行スタイル」と題したレポートをまとめました。

「令和的非日常」を実感する5つのキーワード

 同調査では、ライフスタイル高感度層や旅行関連事業者へのデプスインタビュー、ライフスタイル・旅行価値観に関するインターネット調査、Z世代へのグループインタビューおよびデプスインタビューを実施しました。

 このうち18〜35歳の男女1300人(※)を対象としたインターネット調査で聞いた「旅行に対する感覚やイメージ」の最多は「非日常を味わうもの」(45.0%)でした。以下、「ストレス解消に繋がるもの」(39.7%)、「自分に対するご褒美」(32.1%)と続きました。Z世代だけでなくY世代(26〜36歳)においても「非日常を味わうもの」がトップで、世代を超えて旅に非日常を求める傾向があることが分かりました。

※18〜26歳を「Z世代」、26〜36歳を「Y世代」と定義。

旅行に対する感覚やイメージ(出典:JTBコミュニケーションデザイン、以下同じ)

 同レポートは、時代によって異なる「非日常」に込められた意味合いを下記の通り定義しています。

  • 昭和=「新しさというステータス」
  • 平成=「自分らしさの演出」
  • 令和=「"快放"されるひととき」
時代とともに変化する旅のキーワード

 「快放されるひととき」で実感できる具体的な体験についてグループインタビューとデプスインタビューを通じてヒアリングした結果、5つのキーワードが浮かび上がりました。

  1. "私的"特別な空間:日常から距離や時間的に遠く離れていなくとも、普段の生活とは異なる空間であることが、日常からの心理的距離を感じさせ非日常感を演出(首都圏にありながら異国的な町並みが楽しめる空間や都心から距離的には離れていないが海に囲まれて内地とは遮断された島々、料理だけでなくこだわりのインテリアを楽しめるレストランなど)。
  2. 疑似日常体験:有名な観光地やお店を回るだけではなく、そこで暮らす人々と触れ合ったり、地元の人しか行かないローカルなお店で食事を楽しんだり。その土地ならではの日常を過ごすことが日常との心理的な距離を生み出し、精神的な豊かさや満足感を享受させる。
  3. つながりをOFFに:旅の同行者は気を遣わなくて済む相手を厳選したいという欲求が強く、あえて日頃の人間関係のつながりや情報を一時的に遮断するなど、意識的に快適な状況を作ることを重要視している。
  4. 好きに浸る:本当に自分が好きなコトに没頭できる一人の時間が必要であり、その時が一番自分の素が出せる時間という意識が強い。
  5. 思い出はお守り:非日常である旅先で過ごした「自分らしい快い時間」を振り返り、そこにいた自分を再確認することができる旅の思い出は、自信のなさや不安感とのバランスを取るためのものであり、写真としてスマホやSNSにいつでも取り出せる形で保存。

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