Meta幹部が力説 AIへの投資が広告主に「なくてはならないもの」である理由Marketing Dive

2023年第4四半期にMetaの広告ビジネスを前年同期比24%増の総額387億ドルにまで押し上げたものとは何か。同社グローバルビジネスグループ担当バイスプレジデントであるアルビン・ボウルズ氏が語った。

» 2024年02月15日 07時00分 公開
[Chris KellyMarketing Dive]
Marketing Dive

 2023年は「効率化の年」だったが、Metaは2024年の最重要テーマとして人工知能(AI)を掲げている。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は最近の決算説明会で、ユーザーやクリエイターから企業、開発者に至るまで、ビジネスのあらゆる側面に関わるテクノロジーに積極的に投資していると述べた。

 AI(特にジェネレーティブなもの)は、2023年第4四半期のMetaの広告ビジネスを前年同期比24%増の総額387億ドルにまで押し上げた。Metaの幹部は2024年2月7日に開催されたバーチャルラウンドテーブルで、AIに関する計画をさらに掘り下げ、広告主や広告代理店がこの技術に何を期待できるかを説明し、幾つかの成功事例を紹介した。

パーソナライズされた体験の背後にはAIがある

 Metaのグローバルビジネスグループ担当バイスプレジデントであるアルビン・ボウルズ氏は「2023年はわれわれにとって明確な変曲点であり、第4四半期の業績は、Metaが広告主にとって本当に重要なであることを示した。当社のAIへの投資は、広告主のパフォーマンスと、これまで以上に関連性の高いディスカバリーエンジンを提供する当社のコミュニティーの両方に成果をもたらしている」と述べた。

 広告収入もさることながら、Metaは前四半期にユーザーと視聴時間も増加させている。全ての動画タイプで1日の視聴時間は前年同期比で25%以上増加し、ユーザーは1日に35億回リールを再共有した。Metaはこのエンゲージメントの伸びを、長年事業の中核を担ってきたAIとディスカバリーエンジンへの投資が実を結んだためとしている。

 「われわれはAIの旅の途中にいるのであり、始まりにいるわけではない。これはMetaにとって新しいことではなく、基礎なのだ」とボウルズ氏は語った。「AIは確かにわれわれの広告システムのパフォーマンスを向上させ、われわれが提供する全アプリで人々が目にするパーソナライズされたコンテンツの背後にある(中略)。AIは、われわれが人々と企業の両方に提供する体験の基本的な部分なのだ」(ボウルズ氏)

 同様に、デジタル広告業界の変化に対応するためにMetaが行った機械学習や自動化、AIへの複数年にわたる投資は、広告主の成功を後押ししている。しかし、Metaの巨大なグローバル規模のメリットである、数億人のユーザーからのフィードバックを取り入れることができなければ、こうした投資は十分に報われなかったかもしれない。

 ボウルズ氏は「フィードバックは、AIシステムを迅速に改善する上で重要な役割を果たしている。特にリールや広告は、新しいルールに基づいて再構築する必要があった。今、皆さんが目にしているのは、われわれが過去数年にわたって行った戦略的決定の結果だ。現在ではほぼ全ての広告主が、すでにAIツールを使用して広告を作成し、ターゲットを絞っている」と説明した。

AIで活性化したホリデーシーズン

 広告におけるAIと自動化作業の多くは、Metaの「Advantage」ツール群を活用したもので、その中には2023年の「AIを駆使したホリデーシーズン」(ボウルズ氏)に多くの広告主が行ったようなキャンペーン作成を簡単に実現する「Advantage+ ショッピングキャンペーン」も含まれている。

 例えば、ジュエリーに特化した小規模ビジネスで消費者に人気のあるFelicityはサイバーファイブ期間(感謝祭から翌週の月曜日であるサイバーマンデーまでの5日間)にAdvantageスイートを大いに活用し、2020年の同時期と比較して収益が24%増加し、顧客の返品率が20%向上した。一方、スイスのスポーツウェアブランドOnは、MetaのAdvantage+カタログ広告(旧ダイナミック広告)と本格的な動画ソリューションをテストし、通常のキャンペーンと比較してROAS(広告費用対効果)を41%向上させ、CPP(購入当たりのコスト)を45%減少させた。

 Metaはまた、テキストバリエーションや画像拡張を含む生成AI機能を広告スイート全体に展開し始め、今四半期後半には背景画像生成の利用可能範囲を拡大する予定だ。

 コスメブランドのFreshは、サイバーファイブの期間中、Advantage+ショッピングキャンペーンとジェネレーティブ広告テキストバリエーション機能を使って広告を多様化し、パフォーマンスを最適化した。通常のキャンペーンと比較して広告費用対効果は5倍に向上し、購入は42%増加した。同様に、J.C. PenneyはMessengerとInstagramを使ってカスタムギフトbotでデジタルと物理的な溝を埋め、ホリデー期間中のコンバージョン率を4倍近く向上させた。

 「これらは全て特別な体験であり、大小さまざまなビジネスの事例があることからも分かるように、われわれは本当にあらゆる規模のビジネスに焦点を当てている。人々が関心を寄せるビジネスと人々を結びつけ、ビジネスの成長を支援するAIドリブンの製品やサービスを構築する、これは、今後もわれわれの企業としての最重要目標であり続けるだろう」とボウズ氏は語った。

(「新進D2CコスメブランドのCMOが激推し 『Meta Advantage+ ショッピングキャンペーン』とは?」に続く)

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