電通グループが採用したAWSの生成AIサービス「Bedrock」と「SageMaker」で何ができる?生成AIでクライアントの事業成長とDXの推進を支援

電通グループはアマゾンウェブサービスとの協業を強化し、新たに2つの生成AIサービスを採用した。製品チームやエンジニアリングチーム全体で利用することを想定している。

» 2024年02月02日 14時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 電通グループ(グローバルブランド名:dentsu)は2024年1月24日、Amazon Web Services(以下、AWS)との連携を拡大し、「Amazon Bedrock」(以下、Bedrock)と機械学習サービス「Amazon SageMaker」(以下、SageMaker)という2つのフルマネージドサービスを新たに採用すると発表した。製品チームやエンジニアリングチーム全体で利用することを想定しており、生成AIサービスの強化を通じてクライアント企業の事業成長とDXの推進を支援する。

BedrockとSageMakerの採用で何ができる?

 Bedrockは高性能な基盤モデルを選択できるマネージドサービス。APIを介してさまざまな生成AIモデルを選択およびカスタマイズし、適切なモデルを使った柔軟性の高いシステムを構築できる。これによって自社に適した生成AIモデルが開発可能になる。

 SageMakerは、独自の機械学習モデルの開発を支援するマネージドサービス。データサイエンティストなどの専門家から初心者まで幅広く利用されている。これを利用することで容易に機械学習モデルを構築して稼働準備が整ったホスト型環境に直接デプロイできる。

 2つのマネージドサービスを採用することで、dentsuは独自開発したものだけでなくサードパーティー製あるいはオープンソースのAIモデルも容易かつスピーディーに活用できるようになる。世界中のテックコミュニティーから生まれる最先端テクノロジーの活用に加えて、高性能な画像、マルチモーダル、テキストモデルの選択肢を提供する「Amazon Titan」などのAWSの独自モデルの活用も可能となる。

 今回のAWSとの協業強化は、dentsuの日本事業においてデジタルマーケティングの中核企業である電通デジタルが担当している。同社はAWSの伴走支援を受けつつプライベートプレビュープログラムを進め、世界に広がるグループのメンバーと緊密に協力しつつ、生成AIをプロトタイプに適用した。

 電通デジタルの執行役員でデータ&AI部門長の山本覚氏は「dentsuではこれまで多くのAIソリューションをAWS上で構築しており、電通デジタルが開発したカスタマーエクスペリエンスを高度化する最新のAIサービスブランドの『∞AI(ムゲンエーアイ)』においても、一部のサービスをAWS上で構築しています。また、Amazon Bedrockのリリース直後からその活用方法の検証を行っており、今後はそれらのAIを各サービスに随時導入していく予定です。今後もAIを活用したサービスを通して顧客企業の成長と変革に貢献できることを楽しみにしています」とコメントしている。

 dentsuは昨今、MicrosoftやGoogle、Salesforce、Adobeなど他のベンダーからもさまざまなAIツールやサービスを導入しており、今回の発表もそうした動きの一つと位置付けられる。

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