TikTokマーケティングで成功するための5つのヒントSocial Media Ttoday

2024年にTikTokに注力したいと考えているマーケターのために、取り組みを正しく軌道に乗せるためのTipsを紹介する。

» 2024年01月23日 09時00分 公開
[Andrew HutchinsonSocial Media Today]
Social Media Today

 TikTokを2024年のマーケティング活動により活用するためにはどのような方法があるだろうか。

 TikTokは2023年も重要なエンターテインメントプロバイダーとしての地位を確立し続け、10億人以上のユーザーが最新の動画や音楽との出合い、そして製品情報も含むトレンドの洞察を求めてTikTokにアクセスした。実際、TikTokはいまや多くのユーザーにとって、さまざまな製品カテゴリーで有益な情報を得るための重要な検索エンジンとなっている。

 これを受けてTikTokもEコマースに本格的に乗り出そうとしているが、まだ期待通りには浸透していない。だが、TikTokをうまく活用できるブランドには大きな可能性があることは、利用状況のインサイトが示している。

 そこで、2024年にTikTokに注力したいと考えているマーケターのために、取り組みを正しく軌道に乗せるための5つのTipsを紹介する。

1. 競合他社の動向を知る

 どのソーシャルプラットフォームにも言えることだが、競合他社の調査は、自社のパフォーマンス比較の基準値を確立するために重要だ。同時に、自社と同じ分野で成功を収めている(あるいはしていない)他社がどのようにTikTokを使いこなしているのか(あるいは使いこなしていないのか)を理解することができる。

 どの会社が競合か、同じ分野の主要な国際的プレーヤーがどこかといったことについて、あなたは少なくともある程度は理解していることだろう。それらの会社のTikTokプロフィールをチェックし、どのような数字が表れているのか、TikTokでどのようなタイプのコンテンツを公開しているのかは、調べてみる価値がある。

 TikTokの「クリエイティブセンター」にあるツールを使って、ブランドカテゴリー、製品、ハッシュタグなどに基づいてトップパフォーマーを調査することもできる。

 競合他社が分からなければ、ハッシュタグ要素内でカテゴリー別に検索することもできる。これにより、特定のニッチ分野で最も人気のあるクリップが強調表示される。

 「アナリティクスを見る」をタップすると、そのトピックに関する動画の全リストが表示され、それぞれのキーとなるクリエイターやブランドを見つけるのに役立つ。

2. パフォーマンスの高い広告を知る

 「トップ広告」リストからは、TikTokの広告パフォーマンスを具体的に調査することができる。

 地域と製品カテゴリーを選択すると、TikTokはパフォーマンスの高いプロモーションを表示し、プロモーションの種類でフィルタリングすることもできる。

 これは、(マーケティング)計画にとって非常に重要なインサイトになる。自社のセクターの他のブランドで何がうまくいっているのか、そしてTikTokのユーザーが何に反応しているのかを知ることができるからだ。

 何が支持されているのかを掘り下げて学び、その学びを自社のアプローチに生かそう。

3. 人気のハッシュタグを知る

 会話のトレンドを促進する上でハッシュタグにかつてほどの影響力はない。ソーシャルプラットフォームのアルゴリズムが進化し、さまざまな投稿要素からコンテクストを読み取ることができるようになったため、同じようにコンテンツを分類するためにハッシュタグを必要としなくなったからだ。

 とはいえ、ハッシュタグは依然として重要な発見要素であり、アプリ内の関連する検索ストリームにコンテンツが表示されるようにする手助けをする。

 「現在のトレンドを見る」を使用して、関連するハッシュタグを調査することができる。また、「最新コンテンツからトップ100まで」を選択すると、どのカテゴリーでも最新のトレンドタグにドリルダウンすることができる。

 任意のトレンドをタップすると、その人気とパフォーマンスについてのより詳細な洞察を得ることができる。

 このトレンドラインを過去3年まで拡大することができるので、各タグが時系列でどのようなパフォーマンスをしているかを確認でき、また、人口統計インサイト、関連タグ、トップクリエイターなども見ることができる。

 最後に、各カテゴリーのトップパフォーマンスの動画にアクセスすることもでき、各分野で何が反響を呼んでいるのかをより具体的に知ることができる。

4. 自社に関連の高いインフルエンサーを知る

 TikTokがエンターテイメントにフォーカスしていることを考えると(TikTokは自らをソーシャルプラットフォームではなく、エンターテイメントアプリだと繰り返し説明している)、TikTok内でのパフォーマンスを最大化するためには、魅力的で反響のある動画を作成する必要がある。

 これは必ずしも容易なことではないため、多くのブランドはリーチを最大化するために実績のあるクリエイターと協業している。

 必ずしもそのルートに乗る必要はないが、少なくとも、何がうまくいっているのか、彼らがその時々で何に力を入れているのか、彼らがどのようにオーディエンスとつながっているのかを理解するために、自社の分野のトップクリエイターに精通する価値はあるだろう。

 前述したように、このためには、TikTokのトレンドハッシュタグリストを利用すればよい。同じタグを使用しているトップクリエイターをハイライトする要素も含まれている。

 また、「TikTok Creator Marketplace」で、キーワードや業界などに基づいて関連するインフルエンサーを検索することもできる。

 自社のコンテンツを増幅させるのに役立つ貴重なクリエイターが見つかるかもしれないが、少なくとも、何がうまくいっているのか、そしてそれを現行のアプローチにどのように応用できるのかを、さらに理解することができる。

5. TikTokのAI広告ツールを試す

 他のソーシャルプラットフォームと同様に、TikTokもさまざまな形でジェネレーティブAIや会話型AIを試している。これらを活用すれば正しい方向へ導かれ、コンテンツアプローチを改善するのにも役立つ。

 クリエイティブセンターには、TikTokのマーケティング活動をガイドしてくれるチャットbot「TikTok Creative Assistant」も登場した。これを使えば、関連するリンクやツールを見つけられるだけでなく、トレンドに基づいて、ニッチ分野で反響を呼ぶコンテンツのアイデアをたずねることもできる。

 また、TikTokは広告スクリプト生成ツール「Script Generator」を導入しており、より魅力的なクリップを作成するのに役立っている。さらに、TikTokの姉妹アプリで動画編集ツールの「CapCut」にも新たにAI機能が追加され、コンテンツを洗練させるのに活用できる。

 TikTokの親会社であるByteDanceはAIに力を入れており、その規模とリソースを考えると、今後数カ月の間にTikTokのクリエイティブツールにさらに多くのAIが追加される可能性が高い。これにより、傑出したクリップをまとめる機会が増える可能性がある。TikTokはまた、食事の注文やインストリームでのより直接的なプロモーションなど、新たな市場機会への参入を模索している。

 TikTokは実際、より多くの人々が「TikTok Shop」でより多くのお金を使ってくれることを望んでいる。これはTikTokの中国版アプリ「Douyin」では主要な収益源になっているのだが、欧米市場では依然として課題が残る。しかし、TikTokにはまだ伸びしろがある。TikTokが課題を解決できるなら、多くのブランドにとって、同アプリは短期間のうちにはるかに重要な選択肢になる可能性がある。

 ただし、TikTokには米国で全面的に禁止されるリスクが残っている。それは依然として懸念事項ではあるが、これまで見てきたところでは、米国政府は必要な場合を除き、次の段階に進むことを過度に望んでいるわけではなさそうだ。

 地政学的な関係が悪化した場合は、TikTokはその犠牲になる可能性がある。TikTokへの依存度を高める際には、そのことを念頭に置く必要がある。それでも、そこにはチャンスがあり、正しく実行できれば、ブランドへの大きな関心を高めることができる。また、TikTokで学んだアプローチの多くは、「Instagramリール」や「YouTube ショート」などにも応用できる。

 TikTokでは多くのユーザーが多くの時間を費やしている。ここにターゲットがいるならば、あなたの会社もTikTokで活動を展開するべきだろう。

© Industry Dive. All rights reserved.

関連メディア