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» 2024年01月05日 07時00分 公開

2024年、広告主が「クリエイターエコノミー」にもっと投資すべき理由Marketing Dive

米国の広告業界団体IABは、2024年に広告主がクリエイターコンテンツへの投資を増やし、予算配分は平均で25%増加すると予想している。

[Jessica DeyoMarketing Dive]
Marketing Dive

 米インタラクティブ広告協会(Interactive Advertising Bureau、以下IAB)と調査会社TalkShoppeが発表したレポートによると、調査対象の広告主のうち44%が2024年にコンテンツクリエイターへの投資を増やす予定であり、平均25%の支出増を見込んでいることが分かった。クリエイターコンテンツは購買ファネルにおける検討や顧客ロイヤルティー、アドボカシーの各段階に「多大な影響」を与え、広告主の92%はクリエイターコンテンツを優先すべきチャネルだと考えているということだ。

クリエイター広告は従来の広告よりブランドロイヤルティー構築で1.4倍の効果

 「クリエイターエコノミーの機会:信頼性とインパクトが出会う場所」と題したこのレポート(外部リンク/英語)は、定量的調査、定性インタビュー、デイリーデジタルエスノグラフィー(リアルタイムでの行動観察を実施する調査手法)を含む多段階調査から得られた知見を活用している。

 同レポートによると、クリエイターへの広告主の投資は増加の一途をたどっている。その活気と消費者を引きつける能力から、クリエイターは「マストバイ」のカテゴリーとみなされ、レポートで引用されているゴールドマンサックスのデータは、クリエイターエコノミーが2023年に2500億ドルの市場規模に達すると評価している、また、2027年までには4800億ドル規模に成長する見込みだ。

 IABの最高経営責任者(CEO)であるデビッド・コーエン氏はレポートの中で「賢明なマーケターは、顧客に響くコンテンツでリーチする必要があることを知っている。クリエイターコンテンツは、いまや間違いなくその重要な一部になっている」と述べている。

 IABのレポートは、クリエイターコンテンツとスタジオコンテンツがどのように居並ぶかという点に注目している。ここでいうクリエイターコンテンツとは、YouTube、TikTok、Instagramなどのプラットフォームで公開される台本の少ない素材を指す。一方のスタジオコンテンツは、テレビやストリーミングサービスで放映される、台本のある動画コンテンツを指している。

 先述の調査結果によると、クリエイターコンテンツ回りの広告はスタジオコンテンツのそれよりも、消費者の購買ファネルの比較・検討段階において大きな影響を与える。さらにクリエイター広告はブランドロイヤルティーの構築に1.4倍、ブランドアドボカシーの喚起に1.3倍の影響を与えることも分かっている。

 クリエイターコンテンツはデジタル動画ブームの主な原動力でもある。消費者の39%は、2022年と比較してクリエイターコンテンツをより多く視聴していた。調査会社Insider Intelligenceのレポートによると、米国の消費者の78%は毎月デジタル動画を視聴しており、これらの視聴者は毎日平均4時間以上の動画コンテンツを消費している。デジタル動画の1日の平均視聴時間は、過去2年間で30分伸びている。

 これに応じて広告主もクリエイターコンテンツの活用に対して前向きになっている。調査に回答した広告主の89%はこのチャネルを肯定的に捉えており、86%は広告予算をクリエイターコンテンツに移すことが「簡単だ」と回答している。これは、もはやクリエイターコンテンツへの投資がお試し施策に割り当てられた予算から捻出されるのではなく、デジタル広告予算の中で大きなシェアを占めていることを示している。効果測定に関しては、90%がスタジオ制作のコンテンツとクリエイターコンテンツで同じ指標を使用していると回答している。こうしたなじみ深い指標の使用は、クリエイターコンテンツの効果を測りやすくする効果があり、クリエイターコンテンツへの信頼性の向上に役立つ可能性がある。

 レポートは、クリエイターマーケティングが成長する中で、ブランドがクリエイター広告とスタジオ広告のバランスを取ることで成功する方法について詳述している。消費者の3分の2は「両方のフォーマットの広告を見ることに抵抗はない」と回答している。消費者はクリエイターコンテンツ内の広告を、より関連性が高く、視聴体験として自然なものと認識している。一方で、スタジオコンテンツ内の広告については、見慣れており、やや記憶に残りやすいと捉えている。また、クリエイターコンテンツの配信が多様化する中で、40%の消費者はテレビ経由でクリエイターコンテンツを視聴するようになっていると回答しており、新たなチャンスが生まれる可能性がある。

 IABのリサーチ&インサイト担当シニアバイスプレジデントのジャック・コッチ氏は「クリエイターコンテンツマーケティングは、フルファネルインパクトを促進する強力な手段だ。広告主はこれらをスタジオコンテンツ広告と並行してマーケティングプランに加えることで、大きな成功を収めている。クリエイターマーケティングの真の成功を目の当たりにする広告主が増える一方で、まだ投資していない広告主は後れを取る危険性がある」と述べている。

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