Marketing DiveがDomino'sの最高ブランド責任者のケイト・トランブル氏と指定代理店であるWorkInProgressの共同創設者兼最高クリエイティブ責任者のマット・タルボット氏に実施したインタビュー後編。
豪雪地帯でも持ち帰り客がピザ店にアクセスしやすくなるようにと、除雪作業に総額50万ドルの補助金を提供する「Plowing for Pizza(ピザのための除雪)」プログラムを実施したDomino's。
Marketing DiveはDomino'sの最高ブランド責任者のケイト・トランブル氏と指定代理店であるWorkInProgressの共同創設者兼最高クリエイティブ責任者のマット・タルボット氏にインタビューを実施。Plowing for Pizzaをはじめとする同社の斬新なキャンペーンについて、話を聞いた。本稿ではインタビューの後編をお届けする。
(本稿は「ドミノ・ピザのブランド責任者に聞いた、斜め上を行くキャンペーンの狙い)の続きです
――(ピンポイントデリバリーのような)技術開発にまつわるメッセージを伝える際の課題は何ですか?
タルボット氏 私たちにとって重要なのは、技術を使用すること自体はなく、それによってブランドをトップオブマインドにし、記憶に残るものにすることです。
このように枠組みを設定すると、テクノロジーの入手方法や使用方法を段階的に説明するよりも、Domino'sのWebサイトとアプリへのトラフィックを増やすことが手っ取り早い。そうすれば、人々はいつでも詳細を知ることができ、さらに調べることができるからです。しかし、私たちはブランドにブレイクスルーをもたらそうとしています。
私たちは、私たちが行う多くのアクションに関して「少数の人が経験し、多くの人が見る」とよく言います。これは良い視点だと思っています。誰もが経験できることだけをやっていては、本当のコミットメントを向上させることはできません。しかし同時に、緊急ピザ(※)のように、基本的に誰もが体験可能なこともできます。常に、それぞれの施策が果たす役割を考えてスケジュールを立てています。
※編注:Domino'sが実施したキャンペーンの一つで、注文者が緊急事態と判断したときに無料でピザを届けてくれるというもの
――緊急ピザについてお聞きします。そのような取り組みはデータ収集とロイヤルティプログラムにどのような影響を与えましたか?
トランブル氏 マーケティング担当者なら誰でも、データは重要であり、消費者や頻度へのマーケティングをより効果的に行うのに役立つと言うでしょう。消費者にデータを要求するのであれば、代わりに何か意味のあるものを提供した方がいい。私たちはロイヤルティープログラムを改善するために懸命に努力しました。他社のロイヤルティープログラムはどんどん悪化していますよね? 彼らは収益性を最大化しようとしているだけで、多くの場合、それは消費者にとってマイナス面をもたらします。私たちはより良いプログラムを作り、より多くの特典を得られるようにしたことを本当に誇りに思っています。自分たちが利益を得るのと同時に、消費者にも利益を与えるようにしなければなりません。
――ドミノ・ピザは、1980年代を舞台にしたドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」とのコラボやかつての広告マスコット「The Noid」の復活など、ノスタルジーに取り組んできました。どのようにしてこれらの戦術を考えているのでしょうか?
タルボット氏 「ストレンジャー・シングス」という作品にはノスタルジー的な要素はありますが、私たちが提携したのは、通常リーチできない視聴者、つまり若くて前向きな視聴者であるNetflixの視聴者にリーチする方法だったからです。ノスタルジーのためのノスタルジーではなく、「マインドオーダー」(※)と結びついた施策です。Noidに関しては、それは私たち自身のIP(知的財産)であり、私たち自身のノスタルジーであり、自律的に配信される現代的なものと対照的でした。私たちは借り物のキャラでなく自らのノスタルジーを利用したのです。
私たちは基本的にはノスタルジーに頼ることをためらいます。いつでも前向きでありたいからです。ブランドとして、ノスタルジーを使うことには非常に慎重です。他のブランドは、私たちのような分野でノスタルジーを多用したり、ノスタルジーに依存し過ぎたりしていると思います。もちろん、より有意義な、行動につながる方法でノスタルジーを活用できるのであれば、それこそがDomino's流のノスタルジー活用です。
※注:顔認識や視線追跡、ジェスチャー機能を利用し、念力でピザを注文したかのような体験を楽しめるアプリ。
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