SNSではもはや写真は加工せず、ありのままの自分を見せる――。そんなスタイルが若い世代の間で徐々に広まりつつあるようです。
ナイルが運営するスマートフォンユーザー向けアプリ情報メディア「Appliv(アプリヴ)」は、写真加工に関するアンケート調査を実施しました。
写真加工アプリの利用経験があり、かつ無加工写真の共有経験がある全国の10〜20代の男女605人に対し、写真を加工しない理由を聞いたところ、上位に挙がったのは「加工することが面倒に感じたため」(284人)、「加工する時間が無くすぐに共有したかったため」(168人)、「加工する技術がないため」(131人)などでした。また、「加工写真のトレンドに飽き、自然な様子を共有したい」と回答した人が1割以上いることから、「盛る」前提のSNS投稿のトレンドが変わりつつあることがうかがえます。実際、共有した写真の内容を聞いてみると、最も多かったのは「自分の顔・身体を含む自撮り」「家族や友人との写真(自分を含む)」などで、10代や20代にとって、自身の姿を自然な状態で他人に共有することは珍しくないと考えられます。
無加工の写真を他人に共有することに対する抵抗感の有無を尋ねたところ、最も多かったのは「まあまあある」(39.0%)でしたが、2位は「あまりない」(24.1%)で、「とてもある」(21.8%)を上回りました。「あまりない」と「特にない」(15.0%)を合わせると、約4割は、無加工の写真の共有にさほど抵抗がないと感じているようです。
BeRealはフィルターなど加工系の機能が一切なく、1日1回だけしか投稿できない写真共有SNSで、Z世代を中心に盛り上がりを見せているアプリです。調査では「現在使っている」と答えた人の割合が29.3%で、「過去に使っていたが辞めた」が12.1%と合わせると利用経験者が全体の41.4%に達しました。さらに、「これから使ってみたい」と意欲のある人も合わせると、半数以上がBeRealに関心を持っていることが分かりました。
BeRealが盛り上がっているのは、どのような理由からでしょう。現在使っていると回答した人に、使う理由を聞いてみたところ最も多かったのは「リアルな自分を見せられるから」(42.4%)、次いで「写真加工のプレッシャーから解放されるから」(26.0%)でした。
写真を加工してキラキラした世界を作るのはSNSの楽しみの一つではありますが、今回の調査結果からはそれに疲れている人が少なからずいることがうかがえます。人の目を気にせずストレスのないSNSライフを送っていただきたいものです。
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