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» 2021年07月30日 08時00分 公開

CEOと従業員の給与差「299倍」をどう考える?ほぼ週刊インフォグラフィックス

今回は、米国の労働事情における想像を超える格差について取り上げます。

[津乗学,スタティスタ・ジャパン]

 さかのぼること20年以上前、20世紀にはまだ給料を手渡しで受け取っていた人もいらっしゃることでしょう。筆者もその1人です。毎月、給料日になると経理部門の担当からのり付けされた封筒を受け取り、その重み(軽かったけど……)に労働の喜びを感じてもいました。気前の良い上司のように給料日の帰り道に封を切るか、それとも家まで持ち帰るかも悩ましいものでした。給料の銀行振込がいつから主流になったのかは明確ではありませんが、国立国会図書館が全国の図書館などと協同で構築する「レファレンス協同データベース」に登録されたあるレファレンス事例を見ると、現金輸送の危険性やATMの普及といった背景があったようです。社会背景とテクノロジーが導いた自然の流れということでしょう。

 さて、今回は現代の米国における衝撃の給与格差について目を向けてみましょう。

 2020年度の米国株式市場における代表的な500社(S&P500)のCEO(最高経営責任者)の平均的な年収は、1550万ドルでした。これは、労働者が稼ぐ給料の中央値の299倍になります。このデータは、米国の労働組合のナショナルセンターであるアメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)の年次報告書で公表しているもので、労働者の平等性を測る指標として広く参照されています。2019年度の格差264倍からさらに増加しており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による壊滅的な雇用喪失の影響もあると考えられます。平均すると、S&P 500のボス達は2020年に70万ドル、過去10年間では260万ドルも給与が増加していることになります。

 しかしながら、この格差はあくまで平均的なもの。中には、さらに大幅な格差が存在しているのが現実です。あなたの慣れ親しんだ有名ブランドはどうでしょうか。数字を見てみましょう。

(出典:Statista)

企業によっては最大5000倍以上の格差も

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