NTTデータと共に進める「攻めのDX」 石黒不二代氏が語るネットイヤーグループの成長戦略とは?トライバルメディアハウスの全株式売却も発表

NTTデータの連結子会社になって2年の進捗と子会社トライバルメディアハウスの全株式売却、NTTデータと取り組むDX推進などについて代表の石黒不二代氏が語った。

» 2021年03月29日 12時00分 公開
[織茂洋介ITmedia マーケティング]

 ネットイヤーグループは2021年3月25日、通期連結業績予想の上方修正と連結子会社であった子会社の異動を発表した。

 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化した2020年10月、ネットイヤーグループは2020年度の通期連結業績について、売上高が2019年度の54億6000万円を下回る54億円にとどまると発表していた。しかし、NTTデータと共に注力するデジタルトランスフォーメーション(DX)推進事業が順調で、広告領域においても利益率が高い案件を中心に堅調に推移したことから、最終的には予想よりも高い55億7000万円で着地する見込みとなった。また、収益体質の改善から営業利益も当初予想の5000万円から1億4000万円に上方修正した。

 2021年4月2日付で保有する全株式を売却することになったのはトライバルメディアハウス。同社はソーシャルメディア活用を軸に企業のマーケティング支援を手掛け、2008年以来ネットイヤーグループ傘下にあった。認知から購買、共有、リピートまで、ネットイヤーグループがフルファネルでマーケティングサービスを提供する上でトライバルメディアハウスは重要な役割を担ってきた。しかし、今後経営資源を重点領域に集中して成長を加速させるため今回の決定に至ったという。今回、株式の譲渡先となるのはトライバルメディアハウス代表取締役社長の池田紀行氏とデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、クオラス、その他数社の投資会社だ。売却益は2021年度に約6億円を計上予定だ。

 2019年3月にNTTデータの連結子会社となって以降、ネットイヤーグループはNTTデータと共に大企業のDX支援事業に注力してきた。今回の2つの発表(適時開示)の背景にも、この2年間で強固になったNTTデータとの連携が見える。

 本稿では、ネットイヤーグループが開催した「オンライン事業戦略発表会 2021」におけるネットイヤーグループ代表取締役社長CEO 石黒不二代氏のプレゼンテーションのハイライト部分を紹介する

オンラインとオフラインを包含したデジタル開発

ネットイヤーグループ代表取締役社長CEO 石黒不二代氏

 ネットイヤーグループがNTTデータと共に歩んできた2年間の成果は徐々に形になりつつあるようだ。石黒氏がまず報告したのが、資本業務提携時に立てた幾つかの短期的な方針の完了だ。プロジェクトマネジメント強化により炎上案件がなくなり、コスト体質も改善して外注費が抑えられたことから、売上総利益が向上した。また、組織の最適化による営業利益・経常利益の向上やNTT データとの協業による大型案件創出も実現した。

 中期的な方針として掲げた両社の連携もサービスとして実現しつつある。これは「Design」「Build」「Improvement」という3つの点でそれぞれの強みを生かし企業に価値を提供しようとするもので、それぞれの役割分担は以下の通りだ。

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