Webサイト育成のポイントは、制作を担う部署だけでなく関係部署が連携して取り組むことにあります。
私たちヘノブファクトリーは、これまで企業のWebサイト運営支援に携わってきた中で「Webサイトの効果を改善するためにはリニューアルするしかない」と考える企業が非常に多いことを知りました。
しかし、私たちはすぐにリニューアルに踏み切ることは、おすすめしていません。リニューアルにはさまざまなリスクがあるためです。
デザインが大きく変化することでブランド効果がリセットされ、今までの顧客が離れてしまうケースもあれば、コンテンツを一新したことで、サイト内で検索にヒットしていた記事への流入が途絶えてしまい、集客が激減してしまうこともあります。狙い通りにうまく効果が上がればそれに越したことはありませんが、良かれと思って実施したリニューアルで今よりも効果が悪くなる危険性は意外と高いものです。
私たちの経験上、効果が思わしくないWebサイトの8割は、リニューアルではなく改善によって十分効果を上げられます。Webサイトは取り換える(リニューアル)よりも育成することを第一に考えるべきなのです。
Webサイトを育てる上で、関係部署の情報連携は欠かせません。私たちは、Webサイトの改善を以下のように6つのフェーズで実施しています。
しかし、実際には簡単に行かないこともあります。というのも、企業のWebサイトはそれぞれの工程を、例えば以下のように別部署が実施することが多いからです。
フェーズ | 担当部署 |
---|---|
1. 弱点を見つける | 解析チーム |
2. 改善策と戦略の立案 | |
3. デザイン・コンテンツ制作 | 制作チーム |
4. 施策の更新 | |
5. 集客および販促 | 広報・マーケティングチーム |
6. 効果の検証 | 解析チーム |
改善の取り組みが複数の部署をまたがる弊害は、各部署が実施している業務の目的などの情報共有がしにくかったり、目的意識が薄れてしまったりする傾向があることです。
しかし、それは言い換えれば、関連部署の情報連携がきちんとできれば改善の効果やスピードを上げられるということでもあります。
例えば、制作チームが実施する施策を宣伝やマーケティングチームが前もって知ることで、効果的に販促を実施して売り上げアップにつながるという効果が期待できます。
社内の情報連携に課題を感じている企業には、関係部署で集まってこうしたWebサイト改善のサイクルを共有し、情報連携の重要性について認識を統一することをお勧めします。
一方、社内にリソースがなくなかなかWebサイトの改善に着手できない場合は、弱点を見つけるフェーズで苦戦することが多いかもしれません。一般的には、プロジェクトリーダーや解析チームが担当する部分ですが、内製が難しい場合は、解析を得意とする外部企業に依頼するという選択肢もあります。
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