マーケティング部門とIT部門の協働のためにまず必要なのは、対話のベースとなる言語の理解。今回はWebやメールマーケティングに関する用語の中から、キーワードを厳選して紹介します。
業界や企業規模を問わず、あらゆる企業においてデジタルマーケティングの重要性が年々増加しています。専門用語も多く、難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。社内のシステム管理者と連携して業務を行ったり、外部のIT企業からの提案を受けてうまくITを業務に活用したりするためには、最低限のIT用語は理解しておきたいものです。
そこで本連載では、マーケターが知っておきたいIT用語について、テーマ別に解説します。第1回は「Web & メールマーケティング編」です。
ドメインに関する理解は、メールマーケティングやWebサイト運用等のデジタルマーケティング担当者にとって必須の知識といえます。ドメインとは簡単にいえば、「インターネット上の住所」にあたるものです。例えば、Webサイトのアドレスが“https://sunbridge.com”、メールアドレスが“taro@sunbridge.com”だった場合、“sunbridge.com”がドメインです。
ドメインはピリオド(.)によって区切れられ、後ろからトップレベルドメイン、第2レベル、第3レベル…と階層構造で呼ばれます。この階層をドメインレベルといいます。例えば、https://www.sunbridge.comの場合は、以下のようになります。
実際の業務では、「サブドメイン」「クロスドメイン」など、ドメインを含む用語を使う機会も多いものです。特に、マーケティングオートメーション(MA)やログ解析などのサービスを利用したり、複数のWebサイトを運用していく中では、議題になることが多いでしょう。
まずサブドメインです。これは1つのドメインを用途別に分割したいときに任意で設定するドメインのことです。ドメインがsunbridge.comの場合、info.sunbridge.comのようにドメインの直前に文字列(この例では“info”)が含まれているドメインがサブドメインです。
ドメインをインターネット上の住所とした場合、サブドメインはさらに細かいエリアを示すと考えると分かりやすいでしょう。例えば、info.sunbridge.comというサブドメインの場合、com=東京都、sunbridge=渋谷区、info=恵比寿 というイメージです。
クロスドメインとは、ドメインをクロスする(またがる)という意味で、複数のドメインを横断してアクセスやトラッキングが必要な際に使用する用語です。例えばドメインが異なる複数のWebサイトを保有している場合、実際の現場では「このシステムはクロスドメインでアクセスログを取得することができますか」というような会話で使用されます。 1つのドメインとサブドメイン間、異なるドメイン同士、異なるサブドメイン同士など、利用するサービスによっては挙動が異なる場合がありますので、「サブドメイン」と「クロスドメイン」について併せて理解しておくとよいでしょう。
CNAMEはCanonical(正式な)Nameの略で「代替ドメイン名」ともいいます。CNAMEは、自社で送信するメールの送信元やランディングページ(LP)のURLに自社のドメイン名を利用するために必要となる設定です。
例えば、自社のLPをマーケティングオートメーション(MA)やLPO(ランディングページ最適化ツール)のシステムを利用して作成した場合、LPのURLは通常そのサービス会社が管理するサーバのURLになります。
お客さまがLPを訪問したときにURLが自社のドメインと異なっていると、このページは大丈夫かと不安になり離脱の要因となる可能性があります。それを自社のドメイン名(例:info.sunbridge.com)で表示させるための設定がCNAMEです。
CNAMEの設定は「ドメイン名Aをドメイン名Bに変換する」というような指定を自社が管理するDNSサーバに設定する必要があるため、通常サーバの管理者に依頼をする必要があります。CNAMEの意味と設定をする目的を理解しておくだけでも担当者とのやりとりがしやすくなるでしょう。
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