新たな効果測定指標をどう使う?――「測定して終わり」ではいけない【連載】インターネットマーケティングの次世代KPI 最終回(1/2 ページ)

ビルコム 太田 滋氏が「熟読率」など質的観点に立った新しい効果測定について説くこの連載もいよいよ最終回。新たな手法をビジネスに活用するには? その手順を紹介する。

» 2017年10月06日 05時00分 公開
[太田 滋ビルコム]

 これまで、質的観点で効果測定を行うことの重要性をお伝えしてきましたが、最終回では「熟読率」を使用したケースを交えて、その活用方法についてお話したいと思います。効果測定はあくまで、次のアクションにつながるものでなければ意味はありません。ところが現場では、「結果の数字を見て終わり」ということも少なくありません。量的観点だけでなく、質的観点も含めた効果測定を行う際の基本的な手順を紹介します。


まずは「仮説立案」が肝心

 当たり前の話ではありますが、「何を検証したいのか」があって初めて効果測定がスタートします。次に「結果が良かったかどうか」を判断するための「目標」を設定します。初めて測定する指標は過去実績がないため、そもそもどれくらいの数値を目標にすべきか迷うところでしょう。その場合は、ひとまず他社や業界の実績を参考にすることが簡単でおすすめです。代理店に聞けば、具体的な実績は出てこなくても、業界平均や目安となる数字は分かると思います。

 次に、検証したい項目を箇条書きにして列挙しておきます。例えば、「商品Aに関する訴求軸3つのうち、どれが最もターゲットに響くのかを把握したい」とか「どの媒体に掲載されるとSNSに最も波及するのかを把握したい」「クリックされる広告クリエイティブと、クリックした先の内容理解までの最適バランスを把握したい」などです。

 私たちも、働くママ向け商材のPRメッセージを検証する際に、「熟読率」を導入しました。その際には「子供の教育」「多忙なママのお助け術」「ママを応援」といった3つの切り口をコンテンツに落とし込み、検証しました。

 この3つの切り口の優先順位を設定するために、「多くの人は見てくれるが深くは読んでくれないもの」、逆に「少数かもしれないが確実に響くもの」などを選別することにしました。このように、効果測定の目的やアウトプットしたいことを具体的にしておくと、「測定したけど、この後どうしよう」という事態になりにくいかと思います。

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