次世代の広告技術の行く末は――。米国で開かれたイベントの中で、「すでにモバイル広告は時代遅れで、モノのインターネット(Internet of Things)テクノロジによる広告が次に来る」と大きく取り上げられた。
3月7日から、米テキサス州オースティンで開かれているSXSW(South By South West:サウス・バイ・サウス・ウエスト)。音楽(Music)と映画(Film)、そしてネットテクノロジ(interactive)が融合した世界最大級のイベントだ。今回のテクノロジ分野のセッション(SXSWi)では、次世代の広告技術のプレゼンテーションがいくつか行われた。2014年3月9日にMashableに掲載された記事“Advertising's Next Frontier: The Internet of Everything”(「広告の次世代フロンティア:すべてのインターネット」)によると、SXSWiではすでにモバイル広告は時代遅れとなっており、次に来るのは、モノのインターネット(Internet of Things)テクノロジによる広告が大きく取り上げられたそうだ。
この「モノのインターネット」という言葉は、1990年代の終わりにMITのケヴィン・アシュトン氏が作った言葉で、「IPアドレスを持つ識別可能なモノがネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み」を意味する(Wikipediaより抜粋)。だが現在でいう「モノのインターネット」はもう少し意味が広く、むしろ「家電や車、メーターなどの生活用品のインターネット化」という意味で捉えられているようだ。
モノのインターネット化により、どのような広告展開が可能なのか。Mashableの記事では次のような事例が示されている。
(1)プログレッシヴ保険(Progressive Insurance)は自動車のダッシュボードに備えたカメラを通じ、運転中の動作や急ブレーキの回数を計測し、保険料算定に利用。
(2)広告代理店Digitariaは、ユーザーの心拍数とカロリー摂取量を監視する保険会社のアプリを開発。ただのアプリで終わるのではなく、冷蔵庫の中の食品や車の使用頻度とその使い方、ウォーキング履歴まで含めてモニタリングし、総合的な健康情報の取得・支援を構想している。
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