2014年のCRM分野の進化トレンドは、昨年から引き続き「ソーシャル」「モバイル」分野の勢いが続きそうだ。それ以外に注目されるのが、「Smarter CRM」と「CRMインテグレーション」だ。
2014年のCRM分野の進化トレンドについて、2014年1月6日にEnterpriseAppsTodayに掲載された記事“7 CRM Trends for 2014”(「2014年、7つのCRMトレンド」)で述べられている。この記事によると、昨年から引き続き「ソーシャル」「モバイル」分野の勢いが続きそうだという。それ以外に注目されるのが、「Smarter CRM」と「CRMインテグレーション」だ。
なお、ここでいう「CRMトレンド」では、ITシステムとしての機能トレンド以外に、ユーザー側の使い方やニーズの変化も紹介している。ITシステムとしての機能進化では「モバイルCRM」「ソーシャルCRM」「SmarterCRM」などだが、ユーザー側のニーズやCRM使い方のトレンドとして「ソーシャルマーケティング」「CRMインテグレーション」「コンタクトセンターとの融合」「SaaSユーザビリティの活用」がある。以下、順にみて行こう。
営業スタッフの利便性向上手段を模索している企業にとって、2014年は「モバイルCRMの導入」が主要テーマになりそうだ。ただ、かつてあったような「外出先から顧客データにアクセスできる」という利便性一辺倒のものではなく、今のモバイルCRMは「店舗内や外出先に関わらず、リードジェネレーションや販売機会拡大を実現する」ように、機能そのものが大きく進化していること。モバイルを通じ、顧客サイクルに従って常時サポートし続けることで販売サイクルを短期化するような仕組みが備えられている。モバイルCRMは利便性だけでなく、顧客ライフサイクルを最適化する機能を持ったソリューションが今後の主流になるとみられている。
CRM業界において、2014年も引き続き強いプレゼンスを持つと思われるのがソーシャルCRMだ。既存CRMの機能を増強するため、LinkedInやTwitter、Facebookやブログなどが生み出すデータやレビューを統合する傾向は、ますます強くなるとみられている。その理由は、さまざまなソースのデータを統合することで、価値の高いインサイトを獲得できること。その手段としてソーシャルCRMへの期待は依然として高いという。
ソーシャルCRMと似ている概念として「ソーシャルマーケティング」がある。これまで多くの企業やブランドは、ソーシャルチャネルで顧客とエンゲージすることだけを考えてきた。ここでいうエンゲージとは、「ファンやフォロワーになってもらう」というレベルだったが、これからよりニーズが高まると考えられるのは「ソーシャルメディア上でのオーディエンスとのインタラクション」。具体的には、オーディエンスからの質問への回答やブランドとしての表明をソーシャルメディア上で行い、顧客との対話機会を増やし、ブランド認知力を高めることだ。
これまでソーシャルマーケティングはマーケティング部門が企画/運用を担っていることが多かったが、対話機会が増えるとなると、カスタマーサービス部門のような顧客対応部門の力が必要になってくる。2014年は、多くの企業でソーシャルマーケティングの下でこうした部門の垣根があいまいになり、専門チームが作られるようになるかもしれない。
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