「勝者はトップシェア企業1社だけ」「価格に敏感な顧客だけが集まる」「よき顧客は去っていく」――。価格勝負の“泥仕合”がもたらすこれら3つの負の要因を理解すべし。
前回(「多機能/高品質なのに低収益」――間違いだらけの顧客中心主義から抜け出す)はバリュープロポジションの考え方をご紹介した。
「バリュープロポジション」は一言で言うと、「顧客が価値を認めて買う理由」だ。このバリュープロポジションを決めるのは大変だが、バリュープロポジションが明確になれば、対象とする顧客とその顧客が求めている価値を明確に定義して、競合他社と明確に差別化できるし、価値訴求の方法も定義できる。
しかし、バリュープロポジションがどうしても決められず、競合他社と同じような価値しか提供できない場合はどのようになるか?
「バリュープロポジションが明確にできない」ということは「価値勝負」ができないということだ。その結果、「価格勝負」に陥ってしまう。この価格勝負は一般に考えられているよりもはるかに怖いものだ。実は現在の日本企業全体が陥っているのは、この「価格勝負」の罠にほかならないのだ。
価格勝負が怖い理由は3つある。以下、順番に説明していく。
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