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» 2017年12月01日 06時00分 公開

越境ECのキモはコンテンツ:中国人の心をつかむクリエイティブとは? インフルエンサー「山下くん」の仕掛け人が語る (1/2)

越境ECはビジネスの成長に向けた重要課題。中国市場に食い込むためのヒントをコンテンツの視点から探る。

[大類賢一,タンクフル]

 日本国内から海外の消費者に向けたネット通販である越境ECを展開したり、訪日外国人向けのインバウンド需要を取り込もうと動き出したりする企業は多い。そのためには外国人の心に刺さるコンテンツが必要となるが、具体的にはどのようなクリエイティブを用意すればいいのだろうか。

 ソーシャルメディア分析のホットリンク子会社であるトレンドExpressは、中国で大人気のインフルエンサー「山下くん」を生み出したOffice339 CEOの鳥本健太氏を招いてセミナーを開催。同氏とトレンドExpress代表取締役社長の濱野智成氏が登壇し、日本企業が中国市場向けのコンテンツを作る際のポイントや注意点について解説した。

左から、トレンドExpressの濱野智成氏とOffice339の鳥本健太氏

中国では「学園生活」は日本アニメの世界にしかないと信じられている

 マーケティングの領域においてもデジタルシフトが叫ばれる昨今だが、濱野氏は「これからはデジタルシフトよりもグローバルシフトに向かう。14億人という巨大な中国市場の需要を取りにいかなくてはいけない時代がすぐそこに来ている」と語る。

 現状では、国外向けマーケティングへの投資額はまだまだ小さい。また、中国市場に参入したもののうまくいかず撤退するケースも多いのが実情だ。思うようにうまくいかない理由は2つある。1つは、日本人が中国人のインサイトをつかめていないこと。もう1つは、日本が世界第2位の経済大国だった過去を引きずり、「上から目線で中国市場を見ている」ことだ。実際、失敗するケースには、日本での成功パターンをそのまま中国に持ち込もうとしたパターンが多いという。

 中国におけるブランディングやマーケティングは、日本市場とは異なる施策が必要となる。生活スタイルや文化、人の考え方などの土壌が異なるからだ。中国市場への理解は欠かせない。

 もちろん、日本のコンテンツがそのまま輸出されて中国で人気を博している例はたくさんある。特にアニメは人気が高い。だが、その受け入れられ方はやはり独特な場合がある。濱野氏は「日本人と中国人では笑いや感動のツボが違う。感度も違う」と語る。日本人から見た「当たり前」が、中国人の目にはとても奇異で新鮮に映っていることがあるのだ。

 例えば「学園もの」のアニメがそうだ。高校の部活や学園祭などのイベントは、中国にはほとんどない。中国の若者は、日本の学校では本当に部活や学園祭があると知って「あれはアニメの中だけの話ではないのか」と驚くという。

 また、作品中に何げなく登場するアイテムに強い関心を示すということもある。ビー玉で栓をされているラムネを見て「いったいどんな味の飲み物なのか」と気になって、来日した際にラムネを購入するというような行動もよく見られる。商機は思いもよらないところに眠っているかもしれない。

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