マルチスクリーン化に対応するAdWordsの機能強化を発表、グーグルユーザーの利用デバイスを考える必要がなくなる?

グーグルは2月7日、「Google AdWords」を管理するキャンペーン機能のアップグレード版である「エンハンスト キャンペーン」(Enhanced Campaigns)を提供開始するとブログで発表した。

» 2013年02月07日 18時36分 公開
[ITmedia マーケティング]
 

 エンハンスト キャンペーンは複数のデバイスに対応したGoogle AdWordsのマーケティングキャンペーン管理機能である。特徴は大きく分けて3つあり、1つ目は、スマートフォン、PCなどのマルチスクリーンに対応するマーケティング管理ツールの機能である。端末、場所、時間など、消費者ごとの状況に応じて検索に使用されたデバイスを判断し、それぞれに最適なキャンペーン、予算の管理/改善などができる。広告の入札調整機能では、1つのキャンペーン内で端末、場所、時間などについて、入札を管理することが可能となる。

 例えば、朝食を提供するコーヒーショップがスマートフォンにおいて、「コーヒー」や「朝食」で検索をした地域内の消費者に広告を表示する場合、入札調整機能を使い、「1キロ圏内からの検索には25%高い」「午前11時以降の検索には20%低い」「スマートフォンからの検索には50%高い」などの条件を設定して入札することができる。この入札調整はキャンペーンに含まれるすべての広告とキーワードに適用される。

 2つ目は、ユーザーの状況に応じて最適化される広告配信機能だ。例えば、外出中で店舗の近くにいる消費者とデスクにいる消費者では、同じ人物でも求めているものが違う可能性がある。エンハンスト キャンペーンでは、端末、場所、時間の組み合わせごとにキャンペーンを作成しなくとも、端末に応じて適切な広告テキスト、サイトリンク、アプリ、広告設定オプションなどを表示することができる。

 3つ目はコンバージョンの種類を集計できるレポート機能である。潜在顧客は、広告を見てアプリをダウンロードすることもあれば、電話で問い合わせを行うこともある。エンハンスト キャンペーンでは広告に対し、顧客からどのようなコンバージョンを得たかを詳細にレポートする機能を持つ。レポート上ではアプリのダウンロード数やデバイスごとの統計情報を確認することができる。

 こうした機能をグーグルが提供する背景の1つとして、「複数のデバイスを利用する消費者の90%が端末間を1日のうちに途切れることなく移動している」という調査結果を挙げている。グーグルは「PC、タブレット、スマートフォンなどの境界線は一層あいまいになり、端末が集約の方向に向かう場合、消費者がタブレットとデスクトップで行う行動はかなり類似したものになる」と予想する。

 グーグルは今後、エンハンスト キャンペーンと従来型キャンペーンのどちらを利用するかを選択できるようにし、2013年の中旬までにすべてのキャンペーンをエンハンスト キャンペーンにアップグレードする予定。

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