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» 2012年09月03日 08時00分 UPDATE

【連載】今度こそマスターするぞ! データ分析:第4回 マルチチャネルのハイブリッド分析で“儲かる”Webサイトを構築 (1/2)

「Webサイトから生成されるデータ」と「その他の顧客接点から生成されたデータ」を組み合わせて分析することで、Who、Whyの解明が実現する。ポイントは、顧客体験を分析視点の中心に据えること。これまで見えなかった顧客の動きが明らかになる。

[北川裕康,SAS Institute Japan]

Web Analyticsの2つの課題

 現在、多くの企業において、Webサイトが顧客接点の中心になってきています。しかし、Webサイトに関連するデータだけを分析していても、真の顧客インテリジェンスを得られるとは限りません。今回は、Webサイトを中心にした顧客接点の分析について考えてみたいと思います。Webサイトを含む主要なチャネルでの顧客とのすべての対話を理解することは、顧客行動の全体を把握することにつながり、上質な顧客経験を実現するための重要なヒントをもたらすことになります。

 Webサイトを分析するための、有償/無償のWeb Analyticsツールが普及しています。“Analytics”とキーワード検索すると、Web Analyticsの一種であるGoogle Analytics関連のサイトが大量に表示されるほどです。しかし、“儲かる”Webサイトを作るためには多種多様な課題があり、その課題の解決にはWeb Analyticsでは力不足です。その代表的な課題は、以下の2つです。

[課題その1]一般的なWeb Analyticsは、まだ発展途上です

 Web Analyticsは未熟な分析分野で、例えれば、小売業の分析の初期段階に近い状況です。ロイヤルティプログラムやポイントカードが普及している現在の小売業においては、顧客の属性、行動、購買の分析が容易になってきています。しかし、初期の頃は、商品に付けられたバーコードによって、どのような製品が売れたかの売上データに基づく過去分析しかできていませんでした。現在の一般的なWeb Analyticsも同じような状況です。Web Analyticsによって、どれだけのユニークユーザーが来たか、ページはどれくらいアクセスされたか、どのような項目がクリックされたか、どのドメインから来ているかなどの分析は可能です。しかし、それはWebサイトを中心にした“Web Experience(Web体験)” Analyticsであって、どのような顧客がどのような行動をしているのかという“Customer Experience(顧客体験)” Analyticsではありません。満足度の高いWebサイトを作れても、ビジネスまでは踏み込めないということです。また、Web Analyticsは、KPI(Key Performance Indicator)の見込みなど、将来の姿を予測する手伝いもしてくれません。

[課題その2] Webサイトが顧客接点の中心でも、マルチチャネルの顧客接点がある

 顧客は、Webサイト、実際の店舗、コンタクトセンター、営業、モバイルアプリケーションなどの複数の顧客接点から企業へアプローチします。例えばですが、私の趣味のギターで考えてみます。実話です。ギターはいつもECサイトで買います。しかし、買う前に店舗で試奏し、メーカーのWebサイトでスペック情報を確認し、YouTubeで評価を見て、そして、納得したらECサイトで購入します。もちろん、ECサイトも安いところを評価します。到着したギターの塗装に問題があり、メールと電話で交換の手配をしたことがあります。ECサイトで購入するとしても、そのチャネルだけでビジネスが終わるケースは稀だということです。顧客の購買分析をする場合、Webサイトの分析は、店舗やコンタクトセンターなどのすべての顧客接点から生まれるデータと統合して分析する必要があるということです。そう考えると、包括的にデータを管理/分析する「統合マーケティング管理」が求められます。

 これらの課題から見えてくるのは、顧客体験を視点の中心に、Webサイトから生成されるデータ、しかもより詳細なデータと、その他の顧客接点から生成されたデータを組み合わせて分析して、Who、Whyの解明が求められるということです。それでは、その解明を実践している事例を紹介します。

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