Metaの2025年ビジネス注力領域とAIを活用したツールをはじめとした広告ソリューションの最新情報を紹介Metaのグローバルビジネス責任者であるニコラ・メンデルソン氏が語った。
Metaは2025年2月4日、アジア・太平洋地域(以下、APAC)の記者向けにオンライン説明会を開催した。本稿では、この場でグローバルビジネスグループ責任者のニコラ・メンデルソン氏が語った2025年のMetaのビジネス注力領域や新たな広告ツールについて紹介する。
メンデルソン氏はシンガポールを拠点に、APACでMetaのプラットフォームを活用してグローバルに事業を拡大している広告主や広告代理店を支援している。
「Facebook、WhatsApp、Instagramといった当社のアプリを活用し、ビジネスを成長させ、消費者にリーチしている様子を見るのは素晴らしいことだ。私はMetaに11年間在籍しているが、ここで働く理由の一つは、当社のプラットフォームが協業する企業の軌道を大きく変える力を持っていると確信しているからだ」とメンデルソン氏は語る。
2025年1月29日(米国時間)に発表されたMetaの2024年第4四半期決算によると、売り上げは20.6%増の483億8500万ドル、最終的な利益は48.6%増の208億3800万ドルだった。好調な業績の背景について、メンデルソン氏が示した主なポイントは以下の通りだ。
説明会にはシンガポール発の新興家具ブランドであるCastleryでマーケティング担当バイスプレジデントを務めるリア・ハワットソン氏も同席した。Castleryは2024年にAdvantage+ ショッピングキャンペーンを活用し、米国市場で新たな顧客層を発掘した。さらに、ミレニアル世代へのリーチを強化するため、クリエイター制作の動画を広告に追加するテストを実施した結果、ROASが15%向上した。ハワットソン氏は今後の方針として「AI生成クリエイティブを活用し、ローカライズされたコンテンツを大規模に展開する」と述べた。
メンデルソン氏は、AIにより広告キャンペーンのパフォーマンスを最大化する新たなツールを紹介した。それが「最適化スコア(Opportunity Score)」だ。これは、広告主がパフォーマンスを向上させるためのキャンペーン最適化提案をリアルタイムで提供するもので、現在テストを実施している。具体的には「Meta広告マネージャ」内で0〜100のスコアを表示し、広告主が簡単に適用できるカスタマイズされた推奨事項を提供する。テストを実施した広告主は、成果当たりの単価が中央値で5%削減できたという。
Advantage+ショッピングキャンペーンとアプリキャンペーンのAI最適化機能をより多くの広告主に提供するための新セットアップもテスト中だ。販売、アプリインストール、リード獲得キャンペーンを設定する際、これらのAI最適化が自動的に有効になる。設定を有効にしたリード獲得キャンペーンでは、無効設定と比較してリード獲得単価が平均14%低下した。もちろん、広告主は手動で設定を調整することも引き続き可能であり、広告マネージャの右側のトグルでAdvantage+のオン/オフを簡単に確認できる。なお、機能強化に伴いAdvantage+ショッピングキャンペーンは「Advantage+セールスキャンペーン」へと名称変更される。
Meta Advantage+に、リード獲得向けの新ツール「Advantage+ リードキャンペーン」も追加する。これはAIの最適化を活用し、高品質なリードをより効率的に獲得可能にするものだ。
Metaがファクトチェックを廃止し、自社アプリ上での発言ルールを緩和することを発表したことで、広告主視点ではブランドセーフティーの懸念が高まっている(関連記事:「『ファクトチェック廃止』の波紋 Metaにこれから起きること」)。
この件に関してメンデルソン氏はCFO(最高財務責任者)のスーザン・リー氏による「ブランドセーフティへの取り組みは変わらないし、広告主のニーズを満たすためのツール群に引き続き投資していくつもりです」というコメントを紹介しつつ、広告主のブランドセーフティー管理に関する2つの取り組みを紹介した。
今回の製品強化は数週間以内に世界中の広告主と共にテストが実施される予定だ。メンデルソン氏は広告主のパフォーマンス向上を支援するためのイノベーションに引き続き注力することを強調し、以下のようにコメントした。
「私たちはAIが広告のあり方を根本的に変革する可能性を秘めていると信じています。今回の新ツールにより、より多くの広告主がAIを活用した最適化のメリットを簡単に試せるようになります。私たちは、広告主が最も価値を見出す成果を達成できるよう支援することを最優先に考えています。そのため、AIが広告主の目標達成をサポートできるよう、さらなるツール開発への投資を続けていきます」
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