新たなマーケティングアプローチ「エレベーター型」を実現する0次分析とは?データサイエンスを活用

Supershipは「0次分析 the Beyond」の提供を開始。データサイエンスを活用した科学的アプローチにより、戦略設計から施策実行、効果検証までを包括的に支援することで、マーケティング活動全体の精度と効果の向上を実現する。

» 2024年12月23日 19時00分 公開
[ITmedia マーケティング]

 KDDIグループ企業でマーケティングソリューション事業とデータソリューション事業を展開するSupershipは、データサイエンスを活用した新しいマーケティングサービス「0次分析 the Beyond」の提供を開始した。

 マーケターの「直感」を「科学」に進化させることをうたった同サービスは、戦略設計から施策実行、効果検証までを包括的に支援することで、マーケティング活動全体の精度と効果の向上を実現する。

0次分析で「ファネル型」から「エレベーター型」へ、どんないいこと?

 企業が保有する「1次データ」、調査会社等から取得する「2次データ」に対し、「0次データ」は、KDDIが顧客の同意を得た上で取得した属性情報やサービスの利用情報、独自の広告配信基盤で取得した配信ログに基づく生活者の行動データなど、クライアント企業が通常保有していない新たな層のデータを指す。このユニークなデータを活用し、既存の仮説に縛られないゼロベースでのターゲット設定を可能にするのが0次分析だ。

 従来のマーケティングでは、市場全体から認知、興味、検討と徐々にターゲットを絞り込む手法が一般的だった。しかし、このアプローチでは途中での機会損失が避けられず、また本来アプローチすべきでない層への投資も発生していた。

 このような、いわゆる「ファネル型」のアプローチに対し、0次分析では「エレベーター型」というアプローチを採用する。これは、最終的にリピーターとなる可能性の高いユーザー像に近い新規顧客を最初からピンポイントで特定するものだ。具体的には、商品関連情報の検索履歴や関連コンテンツの閲覧傾向など、最終的にリピーターになりやすい顧客層を示すデータから、効率的なターゲット設定を実現する。

 この手法により、認知から購入、口コミに至るマーケティングの各段階において見込み度の高い層へ接触することが可能となり、結果として高い投資対効果を実現する。

「ファネル型」と「エレベーター型」の違い(画像提供:Supership、以下同)

0次分析をさらに進化させた「0次分析 the Beyond」とは?

 Supershipは、0次分析により得られたインサイトを「戦略立案」と「マーケティング支援」の2つのフェーズで実行に移し、マーケティング活動を包括的に支援している。今回提供開始する0次分析 the Beyondはデータサイエンスの力で0次分析をさらに強化したものだ。具体的には以下のような手法を導入することで、新規顧客層の発見や既存顧客との類似性分析を可能にし、より精度の高いターゲティングを実現する。

マーケティング支援の全体像

1. ユーザーをベクトル空間で表現

 ユーザーの潜在的な行動パターンや興味関心の類似性を評価するために、Web行動データをベクトル空間上で表現する。

2. 高次元データの類似性を比較

 マーケターの「直感」をベクトル空間上での類似性という尺度から科学的に比較。これにより、任意のターゲット(例:優良顧客)との類似性を数値化し、より精度の高いターゲットマッチングを実現する。

3. 高次元データの可視化

 人間には解釈が難しい高次元データを、視覚的に分かりやすくするために2Dマップに落とし込む。これにより、類似性という尺度だけでなく、視覚的な解釈を通じて科学的な理解を促進する。

具体的にはどこで使える?

 0次分析はさまざまなビジネスシーンで活用可能だ。Supershipは具体的に以下のような使い方を想定している。

  1. 新規優良顧客層の発見:従来の分析では捉えきれなかった潜在的な優良顧客層を特定し、新たな市場機会を開拓。時系列での分析により、顧客ニーズの変化も先取りする。
  2. 広告効果の最大化:科学的アプローチによる正確なターゲティングで、広告の費用対効果を最大化。プレミアムメディアへの最適な配信戦略立案を実現する。
  3. データドリブンな戦略構築:客観的なデータに基づき、商品開発からプロモーション設計まで、より説得力のある戦略立案を支援する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

関連メディア